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不幸の中の幸福  作者: みずかがみ
4月7日現在
9/39

24時間営業のスーパー銭湯

狭いワゴン車の中は

悪臭が漂っていた

タバコの匂い、土の匂い、汗の匂い

その悪臭に一週間も風呂に入ってない

私の体臭等かき消された

しばらくするとワゴン車は

工事現場にたどり着く


そこで私の仕事は

足場つなぎをA地点からB地点へ運ぶ

と言った簡単な作業だった

足場つなぎがなんなのか

この時は知らなかったし

誰も教えてくれなかった

午前中はその作業だけで終わった

腹ペコで作業して倒れそうだった

やっとお昼だ

ほか弁のノリ弁当とぬるいお茶を渡された

私はその弁当を夢中になって食べた

それはそれは美味しい弁当だった

急いで食べ過ぎ少しむせる

お茶を飲み落ち着かせる


午後からの仕事はゴミ集めだった

工事現場を回りゴミを集めてはゴミ箱へ

それが終わるとまた現場を回りゴミ集め

初日はそんな感じで

よくわからないまま1日が終わった


これでお金が貰えるのか?

少し不安になる

作業が終わりまたワゴン車に乗せられる

朝の駅前に到着すると

1人の男性がカバンを持って待っていた


その男性から名前を聞かれ

答えると茶封筒を渡された

茶封筒にはカタカナで

私の名前が書いてある

中身はもちろん賃金である

4500円だった

お金以外にペラペラの明細書が入っていて

そこには弁当代-500円と

5000円と書いてあった

作業内容によって賃金は違う様だ

初めて働き得た収入である

この時は今も鮮明に覚えている


少し歩いた何処に24時間営業のスーパー銭湯がある

ここは入浴料千円でお風呂入り放題

翌日の朝まで居ても大丈夫な銭湯だった

二階にはシアタールームがあり

そこでマットと毛布があり

眠れる様になっている

私は早速そこに行き

一週間ぶりの風呂に入る

少し高いが銭湯内で飲食店もあり

色んな物が食べられる

あまり贅沢はできないので

1番安いたこ焼きを晩ご飯にした


その日はそのままそこで寝て

翌日の朝またワゴン車で現場へ向かう

少し余裕があれば

仕事は休んでスーパー銭湯内で

映画を見ていた

そんな日々が二週間程続いた

ある日現場のオッさんが

話しているのを聞いたのだが

工事現場の寮があるらしい

私でも入れるのか聞くと

入れるとのことだった

より詳しく聞いて

その寮に住むことにするのだが

これが失敗だった

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