錆びた刃
このままの殺されると感じた私は
中学校卒業まで我慢することにした
相変わらず殴る蹴るは
挨拶代わり
朝から日本酒呑んで
変わらない男性
どう生計を立てていたのか
不思議なくらいだった
そして待ちに待った卒業
16歳の頃ですね
捕まれば殺される覚悟で
小さなカバンに
必要最低限の物を詰め込み
家出をした
前にも述べたとうり
男友達が少なく
家に泊めてくれそうな友達は
3人しか居なかった
その3人の家を3日づつ転々として
なんとか寝床と食事は確保出来た
しかしそんな日々を繰り返す訳にもいかず
私は母に公衆電話から電話しました
「男性とは住めない、男性が居るから家には帰らない。私を取るか男性を取るか、どちらかにして」
母は即答で答えました
「帰って来なくていい」
私よりも男性を選んだんです
私は半分諦めていたので
すぐに電話を切り
電車に乗って遠くにある
繁華街へ行った
何かあるだろうと期待半分で
しかし何もなかった
お小遣いも貰えてなかったので
電車賃を支払ったら
残り千円をきっていた
とりあえず少し繁華街から離れた夜の公園へ行き
ベンチに座ってこれからどうするか考えた
考えても答えのない時間だけが過ぎていった
小さなカバンにお泊まりセットはあったので
カバンの中を探ってみる
文房具入れがある
中には筆箱ハサミカッター定規など
私はカッターを取り出し
キチキチキチと最大まで刃を出し
左手首にそっと乗せました
これで死ねるかな?
確かお湯に浸かってないと
死なないよな?
錆びたカッターの刃が
切れるかどうか不安を掻き立てた
ここで死ぬのか?そう思った時に
祖父の葬式を思い出しました
思い出すとボロボロと涙が止まらない
死にたくない。
その日はそのまま公園で
朝を迎えた