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不幸の中の幸福  作者: みずかがみ
4月7日現在
30/39

ソーシャルワーカー

作業所へ通い始めて2週間くらいだろうか

やっと軽作業も慣れ

名前を覚えられた頃

私はいつも通り作業所へ行く

しかし施設内に入れない

また職場に行けなくなってしまった

施設の前まで行くが中に入れない

前のコンビニが派遣虐めが頭をよぎる


役所の就労支援担当者は

私を怠け者と罵る

メンタルクリニックの

信用出来ない主治医も

ただのうつ病なのに甘え過ぎだと罵る

私は頑張って作業所の前まで行くが

中に入れない

こんな事を3週間も続ける

そんなある日職員さんではない男性と

すれ違いで作業所を後にしようとしていた

突然その男性に呼び止められる

その男性は大きな精神病院の

ソーシャルワーカーだった

今の病院は合っているのか?

主治医は信頼出来ているか?

立ち話で色々聞いて来た

私はおどおどと正直に話す


私の家から歩いて行ける範囲内に

入院施設の整った

大きな精神病院があった

クミさんと出会い

私が夜勤で働いていた

コンビニの少し先にある

私は存在を知らなかった

その病院で診察受けてみないか?

ソーシャルワーカーはそう言う

後から聞いたのだが

作業所の職員さんが私の体調を心配して

呼んでくれていたのだ


しかし私は生活保護

病院を変える事は簡単ではなかった

一度変更したら次の変更は出来ない

二回目以上のセカンドオピニオンは

自腹で受けることになる

信用出来ない主治医だが

6年間通院している

新しい病院等考えてもなかったし

そもそも存在を知らなかった


私はいつものメンタルクリニックに

相談して新しい病院を受診することになる


始めて行く病院に私は緊張していた

今度はなんて罵る医師なのか?

本当に大丈夫だろうか?

信用出来るだろうか?

私を実験台にするつもりかも?

現実と妄想の区別がついていなかった

しばらく待たされた後に

私の名前が呼ばれる

私はビクビクしながら

診察室のドアを開ける

身長も大きく威圧感ある主治医だ

ニコッ笑いかけられ

どうしました?

そう聞かれる

見た目も顔も似ていないけど

他界したお世話になった店長と

どこか被る感じだった

この人ならば信用出来る

何故か私はそう思った

この頃の私は被害妄想が悪化して

狂犬病とエボラ出血熱と鳥インフルエンザを

掛け合わせたウィルスを

どこかの国が開発して

その実験台に私は選ばれた

そんな具体的な妄想まで膨らんでいた


全てを新しい主治医に話した

主治医は顔色一つ変えずに

統合失調症ですね

そう言われた

私はなんなのか分からなかった

私はうつ病なのにこの人は

何を言っているんだろう?

その日にすぐ入院が決まった

それ程私はギリギリのラインだった

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