派遣
コンビニで働けなくなった私は
求人誌を買っていた
もちろん新しい仕事を探すためである
そんな中1つの求人に目が止まる
派遣の自動車工場の求人だった
県外で遠いが寮があり
高額な給料だった
クミさんと話し合い
私1人でその工場で働くことを2人で決めた
そう間違いなく2人で決めたはずだ
今住んでる部屋はこのままで
家賃だけは払い
帰る場所を確保して
派遣会社に登録して
私の単身赴任は決定する
コンビニを解雇されて
1週間も経過していない
早く決めないと生活できなかったからだ
私は生活に必要な最小限の荷物をまとめ
2つのカバンを持ち電車に乗る
16歳で家出をした
あの時は小さなカバン1つだった
荷物も増えたものだ
帰る場所もある何も心配ない
そう自分に言い聞かせながら
電車に揺られていた
結構な距離を移動して
やっと最寄りの駅に着くと
同じ様にカバンを持って待つ
男女が数名居た
派遣会社の人が駅で声をかけてくる
自動車工場の派遣ですね?
お名前をお願いします
私は答えるとワゴン車に乗せられた
昔に戻ってしまった感覚で笑みがこぼれる
また最初からスタートか
そんな気分だった
自動車工場と寮は少し離れている
工場まではマイクロバスが運行していて
決まった時間に寮と工場を往復していた
新しい仕事の始まりだ
私は気合いを入れて
派遣の仕事に向かう
初日に適性検査を受けさせられた
どの部署に配属するのか
決めるためである
内容は質問形式で
この時あなたはどうしますか?等や
今までやってきた仕事はどんなのですか?等
その後面接があった
初日はそれで終わる
次の日
それぞれの配属先が決まる
私は品質管理部
通称品管に配属された
車の開口部等の閉まりが
緩んでないか?基準の範囲内か?
範囲外ならば手直しをするために
車体にマジックで何ミリ出てる又は
何ミリ出すみたいにミリ単位の仕事だった
かなり細かい作業である
でも細かい作業はパチンコ屋で
修理していたので慣れたものだ
私はすぐに1人で品質管理を任される
自動車工場の従業員に囲まれ
品質管理部で派遣は私1人だった
自動車工場側は派遣会社に
1人あたり結構な金額を払う
その中から派遣会社がいくらかピンハネして
私達のお給料となる
その支払う金額は工場の正社員よりも
ずっと多くて正社員からすると
俺たちよりも高い金額もらいやがって
そんな感想だろう
私はすぐに派遣虐めにあう




