かりそめの家族
祖父の他界後
不思議な生活が始まる
祖母は盲目だった為か
被害妄想が酷くて
よく理解出来ない難癖をつけていた
そんな祖母の目を盗んで
一軒家の二階に
離婚した父が住むと言う
不可思議な生活が始まった
私は好きな父が居て
嬉しかったけど
今考えたらそんな生活など
一般的には考えられない
めちゃくちゃな事していた
しかしそんな生活は長く続かず
離婚の原因になった父の
パチンコ好きがだんだんと出てくる
父は仕事は真面目でしっかりして
手先は器用で何でも作ったり直したりした
そんな父を私は尊敬していた
パチンコ好きが発症してしまい
二階で暮らす一家団欒は
すぐに終わりを告げた
戸籍上は離婚していたので
父が消えるのは早かった
母の夜の仕事
冷蔵倉庫の荷物管理と
スナックの手伝いを
掛け持ちして休みなどなかった
夜勤は給料がよくて
昼間寝て夕方に起き
家事をして仕事へ行く
こんな生活となった
まだ小学校低学年だった私は
母に甘えたかったけど
そんな時間は母になかった
大変な生活しているのは
子供ながらにも分かるくらいで
だからと言って
特別貧しい生活でもなかった
姉は相変わらずヤンチャで
イジメられていたが
じゃれ合う程度だったので
さほど苦痛ではなかった