夜勤
コンビニで働き始めた
夜勤の人間が居なかった
居なかったと表現しても
何人か不足しているくらいに
想像されると思うが
1人も居なかったのである
コンビニの深夜は
防犯の為に最低2人で働くのが
マニュアルだったが
人手不足で私は1人だった
1人でコンビニの深夜は大変だ
パンは届くし弁当や雑誌も届く
日用品も深夜に届く
全てのバーコードを読み取り
個数があっているか確認をする
その最中も遠慮なく客はレジに来る
目の回るほどの忙しさだ
夜10時から朝7時で週7日の勤務
休みなどない
しかしそんな勤務を
知ってか時給は1.5倍であった
一か月休まず働けば
パチンコ屋の給料よりも高かった
借金もある給料は高くて
私はコンビニの仕事を
いくらキツくても辞められなかった
そんな勤務が一年も経つ
だんだんと仕事も慣れ
1人夜勤も慣れてきた
この頃入ってきた
5歳年上のクミさんに恋をする
どうやら私は年上と縁があるみたいだ
姉は早々に退職して
私が昔寝泊まりしていた
公園の近くの家に住みはじめ
ゆっくりと疎遠になっていた
恋をしたが昔みたいに
好きだとは伝えなかった
心にそっとしまって
交代のときに会うのだけが
楽しみな毎日だった




