表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不幸の中の幸福  作者: みずかがみ
4月7日現在
17/39

食事会

新しい壁にぶつかり

私は答えに困っていた

それを見ていた新しい店長は

何か不安な事や不都合があるのか聞いてきた

私は保証人や身内が居ない事が

恥ずかしくて惨めな気がして

誰にも話してないし話す気にもならなかった

完全に信用して心許せる人は

この時には居なかったのである


私は答えは少し待ってもらう

新しい店長は少し不機嫌そうだが

何故なのか話すと長くなるし

そこまで信頼していない人には

話したくない内容だった


その日の夜

お世話になった店長に電話をする

主任にならないかと相談された

お世話になった店長は嬉々として

まるで自分の息子が受験合格した様に

喜んでくれた

私はやはりこの人が1番信頼できる

そう感じるが続きを話さないといけない

主任になるには自立して部屋を借りる必要がある

そう話すと店長はそんなことは問題ない

「ワシが保証人になってやる」

そう言ってくれたが私は遠慮した

でも店長は相変わらず熱血漢で

主任になりたいんだろう?

男ならば上を目指せ!

そう元気づけられた私は

保証人をお願いする事になる


数日後新幹線で店長夫妻が

こちらまで来てくれた

部屋はもう決まっている

パチンコ屋まで歩いて行ける距離にある

古い集合住宅である

家賃が安いのと職場まで近いのとで

ここに決めていた1DKの狭い物件

店長も一緒に内見をする

土壁のボロい集合住宅に

店長はもうちょっと家賃出して

良いところに住むのはどうか?

と言ってくれたが

私はここが気に入っている事を話すと

ハハハと笑い飛ばし

じゃあここだなとすぐに決まった

不動産屋に店長夫妻と私の3人で行き

ついに独り暮らしが契約される

少しドキドキしている


最初は2日に1つのパンを

寝泊まりする公園で食べていた私が

今は独り暮らしを始めようとしている

緊張感でお腹が痛い

大丈夫だろうか

独り暮らし出来るかな

色々考えながら契約書に名前を書く

店長もサラサラとサインしてくれる

私は部屋を借りる事ができた


その日の夕方は

新しく借りた部屋とパチンコ屋までの

途中にある古い焼き鳥屋で

久しぶりに店長夫妻と食事をする

私の今までの話しや

店長夫妻の今までの話しなど

つもる話しは沢山あった

この時間が永遠に続けば良い

そう思う程楽しい時間だった

しかし新幹線の時間で

早めのお開きとなった

私はまだまだ話したかったし

また店長夫妻に恩を借りを作ってしまった

駅まで歩いて店長夫妻を見送り

私はまだ住めないので寮に戻る


独り暮らしを0から始めると

お金がかかる

洗濯機にテレビ エアコン等

必要な物は沢山あった

少し蓄えはあったけど

色々と買い揃えると

スッカラカンになってしまった

また貯めないとなぁ

そんなことを考えながら

新しい世界を満喫していた

初めての新聞勧誘を断れなくて

読みもしない新聞を一年契約もしてしまった


主任の仕事はホールの仕事も事務も

やらないといけない

基本的に早番で昼まで働き

閉店後にもう一度店舗まで行き

機械割や機械設定の決め方など

やることは沢山あった

忙しいが毎日が充実していた


この頃からちらほらと

私の家までの途中にある

焼き鳥屋と中華飯店に

遅番のみんなで行く事がある

もちろん支払いは全てまとめて私だ


年上も居たが役職が払う

そんな使命感からか

私は率先して払っていた


最初は3人くらい

だんだんと増えて5人くらい

みんなでの食事が当たり前になっていく

私の給料は食事代に消えていく

でも食事会はついに毎日になる

私の給料では足りなくなった

私は消費者金融に手を出してしまった

食事代を払うために借金してまで

この食事会を続けていた

お世話になった店長に

なりたかったのかもしれない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ