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不幸の中の幸福  作者: みずかがみ
4月7日現在
12/39

ぶりっ子

やっと成就した私の恋は

嬉しさで爆発しそうだった

寮の部屋は恋人連れ込み禁止だったので

マユミさんの運転であちこちの

ラブホテルへ行った

ホテルでの行為よりも

私は一緒に居られる事が嬉しかった


あれだけお世話になった

店長夫妻のお誘いも多々断り

マユミさんとの時間が大切になっていた

今は後悔してます

もっと店長夫妻と過ごせば良かった


一応社内恋愛禁止という暗黙のルールがあり

2人は内緒で付き合い始めました

だんだんと天国だった寮で

過ごす時間も減っていた

あんなに感動した寮の食事も

食べなくなってしまった

あれほど嬉しかった布団で

眠る回数も少なくなっていった

もうマユミさんに夢中でした


真面目に必死になって

働いていたのが

朝までカラオケで飲んで歌い

そのまま仕事へ向かう事も多くあったり

とても真面目に働いているとは

言い難いものとなっていく

私とマユミさんのお給料は

2人で過ごす時間に消えていった


店長夫妻も私の変化に気付き

マユミさんとの付き合いも

簡単にバレていました

そんな時に新しい新人が入ってくる

若い女性でかなりぶりっ子している

女性には嫌われるタイプの人間だった


パチンコ屋の仕事で女性は

ホールとカウンターと言って

普通のスタッフとカウンター業務

景品の受け渡しをする事の

2つを覚えないといけない


マユミさんは先輩だったので

その新人の教育係になった

一方のぶりっ子新人は

マイペースで仕事の覚えも悪い

失敗しても謝らないし

ニヤニヤしていて真面目さがなかった


私が行かなくなって

マユミさんも行かなくて

店長夫妻も寂しかったのだろう

その新人と食事に行く事が増えた


私達は相変わらず

寮の外で愛し合った

このまま結婚してもいいとまで

私は考えていた

そんなある日

店長からマユミさんが呼び出された

なにか失敗したのか?心配しながらも

私は自分の仕事を続けた


しばらくして

マユミさんが目を真っ赤にして

事務所から出てきた

私は失敗して店長に怒られた

くらいに軽く考えていた


しかしそんな軽いものではなかった

新人ぶりっ子が私達が仲良いのに気付き

マユミさんに聞いて来たらしい

「2人は付き合ってるんですか?」

マユミさんは内緒だけど

実は付き合っている秘密だよ

と話してしまったらしい

それが1番の失敗だった


その新人ぶりっ子が店長に話してしまい

気付いてはいたが

新人に示しがつかない

この職場を辞めるか

私と別れるかどちらかにする様に

怒られたと言うではないか

私は怒りましたが悪いのは私達

文句の1つも言えませんでした


マユミさんの選択は

私と別れずに退職を選びました

退職後は違うパチンコ屋で働き

少し遠い場所だったので

マユミさんも寮に入って

お互い寮生活となりました


マユミさんはわざわざ

私のところまで来てくれて

変わらず2人の時間を楽しみました

しかしそんな軽い遠距離恋愛は

長く続いてくれなかった

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