表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不幸の中の幸福  作者: みずかがみ
4月7日現在
11/39

中華飯店

パチンコ屋で働ける様になり

私は歓喜していました

暖かい手作り料理の幸せ

暖かい布団で眠れる幸せ

何より盗難の心配の無い部屋

この時の幸せは今でも忘れてません


5カ月はすぐに過ぎました

私もやっと18歳です


生活にも心にも余裕が出て来ました

一緒に働いているマユミと言う女性に恋をします

マユミさんは私より9歳年上

でも端正な顔立ちに優しい気遣い

だんだんと恋心は膨らんでいきました


でも当人のマユミさんにその気は

全くありませんでした

18歳のガキを27歳の女性が

相手するはずもありません


私は恋愛は苦手です

駆け引きや探りを入れたり

女心はさっぱり理解してません

なので直接話しました

「私はマユミさんが好きです」

青くさいド直球な言葉です

マユミさんは困った顔をしましたが

もう少し大人になったらね

と大人な対応でフラれました


しかしそんなことで

私は引き下がりません

人前でも2人の時でも

ずっと好きだと言い続けました

どれくらい言い続けたでしょうか

一年間以上片思いは続きます


パチンコ屋の仕事も楽ではありません

接客や遊技台の修理に玉運び

立ち仕事なので足は痛いし

玉運びで腰は痛いし

負けた腹いせに文句を言われ

それでもにこやかに対応して

私は店長に恩義を感じていたので

一生懸命に働きました


店長には可愛いがられ

寮生以外は昼ごはんしか出ません

寮生は昼ごはんと晩ごはんが出ます


店長は奥さんも同じ職場で働き

通勤だったので仕事終わりに

近くの中華飯店で晩ごはんを食べ

奥さんと2人で家路につくのが日課


可愛いがられていた私は

その中華飯店で良くご馳走になりました

しかも店長が気を使ってくれて

マユミさんと私と店長夫妻の4人で

食事する事も多くしてくれました


この時の記憶が

のちに私の首を締めるのですが

それはまだまだ先の話です


そんな楽しい毎日はあっと言う間で

気がつけば私も19歳を越えてました

相変わらずマユミさんに

好きだと言い続けてました


そんなある日

パチンコの新台入れ換えがあり

店舗二階の寮にある会議室で

飲み会がありました

私は未成年でしたけど飲酒はご愛嬌で


その飲み会の最中に

ビールが足りなくなり

近くのコンビニに買い出しに

行く事となりました

もちろん買い出し等のパシリは

私の仕事です

買い出しに行こうとすると

マユミさんが1人だと大変だろうから

一緒に行きますと言い出してくれて

私はお酒の力もあり喜びは絶好調でした


予期せぬ2人での買い出し

私はウキウキして買い物して

さて早く帰らないと、と急いでいると

二階に上がる階段の前で

マユミさんが足を止めて聞いて来ました

「本当に好きなの?」

私はびっくりしたのと今までは

上手くスルーされていたので

これはチャンスか?と思いながら

「はい、好きです大好きです」

今考えても赤面しそうな

なんのひねりもない言葉でした

その青くさい言葉を聞いたマユミさんは

両手におつまみとビールの袋を持ったまま

ゆっくりと私にキスをしました


私はびっくりして

え?なに?どうなった?なにがあった?

パニックでした(笑)

マユミさんはキスをすると

足早に階段を登り始めます

後ろ姿を見て我に返り

私も後を追いました


その後宴会の記憶はありません

何を話したのか?何をしたのか?

酔ってるわけではなく

舞い上がってしまい覚えてません

1人また1人と宴会から消えていきます

宴会も終わり

後片付けにマユミさんと私

2人が残されました

2人は無言で部屋を片付けます

何を話したら良いのか

分からなかったんです


片付けも終わり

さて帰ろうかと準備しているマユミさん

私はゆっくりと近付き

声をかけ今度は私から

ゆっくりとキスをする

その日マユミさんと

結ばれました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ