未完
「よーし!
これで一緒に旅ができるね、ベド!」
光の精デーノブリッスと、水の精アクアの指導の結果、二足歩行ができるようになっていました。
これでようやく、ヴィントスと旅ができる。そう思っていた矢先、一つの声がそれを静止しました。
「ちょっと待てよヴィントス」
「何さリッちゃん?」
静止する彼女の声に、少し不機嫌そうに頬を膨らませながら、ヴィントスが振り返ります。
「まさか、このままの姿でベドを連れて行く気か?」
「……どうゆーこと?」
デーノブリッスの質問に、まるで訳がわからないとでも言いたそうに、ヴィントスは小首をかしげます。
「お前は……。
いいか、ヴィントス。
ベドの格好をよく考えてみろ、あんな形で人間の村なんかに行ったらどうなるか」
肩をすくめ、デーノブリッスは指摘をしますが、当の本人は何のことだからわかっていません。
見かねた水の精のアクアは、未だに?マークを頭上に浮かべている彼女に、ヒントを出しました。
「いい、ヴィントスちゃん?
彼の姿形をよ〜く見てみて?」
「……それがどうかしたの?」
「人間とは形が違うでしょ?
人の村に入るなら、人と同じ格好にしないと」
「あ、そっか!」