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カナデのその言葉に自然と血濡れの太刀を握る手にも力が加わる。
「っ!」
血濡れの太刀の冷たい切っ先がカナデの喉元に添えられた。
悠子が少しでも刀を動かせば、その瞬間、自分は死ぬ。
そのことを弁えた上で、カナデは口を結んだ。
答える意思を破棄し、死を直前にしたことへの恐怖からか微かに目元に涙を溜めながらカナデは悠子を睨む。
その態度に悠子はもう一度だけ、その言葉を告げる。
「答えなさい」
それは生と死の境界だった。
その問に答えなければ確実にカナデは死を迎えるだろう。
その血濡れの刃に喉を引き裂かれ、彼女は間違いなく殺される。
しかし、その凄惨な末路を避ける為の方法も悠子は示していた。
答えれば刃を引き、収める。
悠子は暗にそう言っているのである。
が、にも関わらずカナデは口を結んだまま次の言葉を発することはなかった。
「そう」
悠子は呆れたように息を吐く。
「じゃあ死になさい」
そして、そのまま悠子は血濡れの太刀で、カナデの喉を切り裂いたーー。
辺りに噴水の如く鮮血を撒き散らし、どさりとカナデは自らが作りあげた血溜まりにその身を落とし、沈む。
「色々と聞きたいことがあったけど、問い質すのは一人いれば十分よね」
悠子は血濡れの太刀を鞘に収め、失神するミツキの元に近寄る。
(むしろ)
ミツキの髪を掴み、引きずり起こす。
(私の血を取り込んだこっちの方が話を聞くには楽だわ)
そして悠子は、自分よりも遥かに巨体のミツキを肩に背負い、屋上から飛び立った。
(ただ、情報収集する前に、暴れ回ってる悪魔を何とかしないとね)
そこから悠子による悪魔掃討が始まった。




