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第2話

なかが減ったなあ。なんか食べに行こうよ」


「話をまたいでまで言いたかったのがそれかよ!!」


 第1話はギリギリ1500字だったので途中で切れてこの有様だった。緊迫感を出すための字数制限というが、もう少しなんとかならんのか。


「もう単語を一つ言い合うだけで会話しよう。話が進まんというか話が進んでしまう」

「Understand」


 ジョンはキレそうになったおれに両頬を引っ張られながらも「じ、重要なことというのはだな」と説明を続ける。「チート能力のことだぜ」


 おれはジョンから手を離す。「チート! 超能力とか魔法とかだよな?」


 咳払いをするジョン。「おまえのスキルは『聖人』。魔力を急速に蓄積できる。魔力は生きている限り自動的に溜まっていって、魔法を使ったりで減るんだが、おまえの場合は普通の魔法じゃ減った内に入らない。なにしろ常人の10000~12000倍の速さで魔力を溜めることができるんだからな」


「結局その魔力使えなさそう」

「そんなことはない。というより、おまえには天賦の才があるぜ。無意識に魔法を発動させている。オレをこんな性格に変える人格改変の魔法をな」

「おれのせいだったのかよ!?」

「ここで執筆者からコメントが届きました」

「え?」

「『勝手に他人の人生を狂わすなんて最低……』」


 おれは町の外れにある図書館に行って地下書庫にある禁じられた魔法書を読み、手始めに魔王城へテレポートして魔王を瞬殺し城を崩落させてから、町に戻った。


「よし、火力は十分だからあとはどうにかして執筆者のいる世界に行くだけだな」

「聖人じゃねえ……」

「ジョン、情報が欲しい。他に何か作品についての紹介は?」


「そうだなあ」ジョンはあごを撫でる。「この作品はオムニバス小説の中の一編だっていうことくらいか」


「へえ」

「本の最初に来る短編なんだ。プロローグから始まって第2話で終わる予定なんだが……その後に全く別の短編が『第3話』という題で続けられていくんだぜ。執筆者は世界を一つしか作れないから、3話以降もこの世界を使い回していくことになるが」

「なるほど……」


 おれは思考を巡らせる。


「ジョン」

「ん?」

「執筆者は作品を『自分も楽しむため』にも書いてるんだよな?」

「ああ。だから世界の全てを観測することはしないし、干渉も滅多にしない」

「ふうん……」


 腕を組む。


「なあ、執筆者……」


 そして、呟いた。


「今から面白いことをするから、おれの思考を、深くまでは読まないでくれないか」




 ◇




「文字数を浪費していいだって!?」


 ジョンが驚きの声を上げるので、おれはにやりと笑って頷く。


「あと約500字ある。それを最大限に使って『あること』をする」

「それは一体……」

「あんたにも教えられない。今からやるのはその準備だ。まずはこれだ!」


 おれは召喚術で校長先生を喚びだした。


「なにぃっ!? 朝礼で長ったらしい弁舌を垂れる割にはハゲてる校長先生だと!?」

「こらこら。ハゲは関係ないでしょう。えー、さて皆さん、今日は『感謝の気持ちの大切さ』についてお話をします。」


 校長先生は虚空に向かってありがたいお話を始めた。如何なる時でもお話をする。校長の鑑である。


「長い話をする奴を召喚……本当に字数を浪費する気なのか。何をするつもりなんだ……」

まあ(maa)見てろって(miterotte)

「無駄にルビを!」

「<center>ヒポポタマス</center>」

「htmlタグ使用に失敗!」






     提 供


    小説家になろう






「え……えぇー!?」


 おれは一通り終えた後、口角を歪ませて笑った。


「これで準備完了だが、

 ――字数が足りないな?」


 すると空中に文字が浮かび上がる。


“http://ncode.syosetu.com/n5070dc/1/”

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