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恋愛脳漿症候群

作者: ひびき澪

恋愛というものは、得てしてわからないものだ。


片方は自分の魂と全てを投げ出して尽くそうとしたが、


片方は平気で裏切り、浮気をしてしまう。


残された方は悔恨の情を浮かべたり、復讐に走ろうとするが


それらは自力救済という名の行為で、世間的には許されていない。


かくいう私も3年間付き合った女が居たが、昨年の暮れに浮気されたよ。


知ったのはつい数日前。


……3ヶ月もあれば下手なカップルは記念日を行うだろう。


無様なものだな。自らの愚鈍さに反吐が出る。


全て消してしまいと思えど、彼女を否定することは自分の過去を否定することになる。


酒に酔わされたのかと思えば、違うという。


問い詰めれば抱かれた事により相手が好きだと確信した、との事。


笑うしかない。この私の数年間は、たった一人により叩き壊されたのだ。


間男からの謝罪のメールはない。


俺は奴を殴るといったら、殴るなら私を殴れといわれた。


悔しい、苦しい。


復讐は何も生まないというが、何か生む必要があるのだろうか。


私には未来がない。 数年間を否定された以上、新たな人間も当分見付からないだろう。


腕が震える。 嘔吐感が酷い。 アイツは俺にこんな地獄を残していくのか。


無様だ。 人間は生物でしか無い事など、理解している。


数10億人の人間が自分の身の回りの世界だけでも闊歩しているとは、分かる。


それでも自分にとって必要だったもの、尽くした物が消えるというなど。


……俺は、なんだったのだろう。


貴方は、人を好きになった事はあるか?


それも、自分が死んだ後は墓場まで付いてきてほしいと思えるほどの人間に。


……俺は、全てにおいて疲れてしまった。


奴の勝ちとして、死ぬしかなかろうか。


口惜しい 物だ。


せめて俺に力があれば、 ここまで惨めな思いにはならなかったものを。

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