結論
シンは一度ため息をつき。
「…上で寝るわ」
そう呟き二階に上がってしまう。
ダークエルフの少女はおろおろしながらもシンについて二階に行った。
「どうしたものかにゃ」
「どうするんだろうな、あれを」
ダークエルフを嫌うものは多い、何せ魔物と同列なのだ。
殺しても罪にはならない。
奴隷よりも獣人達よりも低い存在なのだ。
そうして、夜がふけていった。
天窓から差す朝日で起きる。
今日は床の上ではなくベッド上にいた。
起き上がり、昨日のダークエルフの少女を探す。
ベッドのすぐ横にいた、床の上で丸くなって眠っている。
抱き起こしベッドの上に寝かせてやり、自分は一階に向かう。
「ん、おはようにゃ」
「おはようさん」
いつものように、カウンター席に座り朝食を頼む。
今日はホットドッグだ。
「はいにゃ」
「今日も、まずいな」
「作らないにゃよ」
「だったら、家賃さげろって。後、適当にチーズとかパンくれ、飲み物は水でいい」
そう言ってお金を出す。
「注文するなんて珍しいにゃね」
「こんな不味いもの食べさせる訳にはいかんだろ、ショック死しちまう」
その言葉にピンときたらしく、パンをバスケットに詰め始める。
「なるほどにゃね、ちょっと待ってにゃね。後、そこまでひどくはないと思うにゃね」
「いや、ひでーよ。さっきのホットドッグ、生ごみの味がしたぞ」
ぼそりと呟く。
「はいにゃ」
パンとチーズの入ったバスケットを受け取り自分の部屋に向かう。
ダークエルフが起きるのを待つ。
やがて、上半身を起こし瞼をこすりながら起きる。
「起きたか」
「っ!!」
驚いたらしくその場で飛び跳ね、ベッドから落ちる。
頭から落ちたらしく鈍い音がした。
「…大丈夫か?」
声をかけると、涙目ながらも頷いた。
とりあえずベッドの上に座らせ。
「まずは飯だ、ほら」
バスケットを少女の膝の上に乗せる。
バスケットの中を見るが、手はつけない。
「どうした?喰わないのか?」
「…ても…いい…?」
「ん?何だよ」
小さくぼそぼそと喋るせいで聞こえにくい。
耳を近づける。
「あの、食べてもいいのですか?」
ようやく聞こえた。
「いい、遠慮せず喰え」
そう言うともそもそと食べ始める。
食べ終えるのを待つ。
パンを食べ終えるとこちらを伺う顔するので、頷いてやると次のパンに手をだしてゆき、食べるのは遅いがバスケットに入っていたパンとチーズが徐々に少女の胃の中に入っていく。
その姿を見ながら考えをまとめる。
バスケットに入ったパンとチーズを全て平らげ、手渡した水を飲み干す。
「あ、ありがとうございます」
「ああ」
目の前にいるのは銅貨一枚の価値もないらしいダークエルフが一人。
とりあえず、自己紹介はしとこう。
「俺はシンって言うんだが、名前は?」
「イリ…アです」
「イリアか」
「……」
「お前は俺の奴隷になってるのはわかるよな?」
「…はい」
頷く。
それを見て考えていたことをだす。
「俺の奴隷になったのは分かるよな?」
頷く。
「俺は冒険者をやってるんだ、イリアにはその手伝いや雑用して貰う。最終的には戦闘もやってもらう」
「……」
無言だが、とりあえず頷く。
これしか稼ぐ方法が思いつかなかった、こいつは奴隷だから取り分は全部自分の物にはなる。
ダークエルフを連れての仕事は危ないとか言っていたが、迷信に決まっている。
光を閉ざすとかよりもまずは生活費だ。
他のギルドに入れないってのはあれだが、元々ソロでやってたんだ大して変わるまい。
考え方によっては悪くはないかもしれない。
となると、コイツをダンジョンや迷宮に慣れさせる必要がある。
色々と用意しなくちゃいけないが、先行投資だ。
「よし、でかけるぞ」




