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手作り


買い物を一通り終え、少しはやいが夕食にすることに決める。

とはいえ、残金はもう二人分の食事をしたらなくなってしまうのは目に見えるぐらいのだ。


できることなら、しっかりと喰いたい。

明日からは大してうまくないもない保存食生活が待っているのだから。

となると……


「イリア、ここで待ってろ。動くなよ」

「え?は、はい」


そう言ってイリアを商店区の入り口に待たせ、人ごみの中に入る。

しばらくすると両手で荷物を抱えて戻ってくる。


「結構、重いな。悪いがイリア、自分の分は自分で持ってくれよ」

「はい。何を買いに行ったんですか?」

「食材をな、自分で作ったほうが安上がりだしな……まぁ、面倒くさいから滅多にやらないんだがな」

「おとうさんの手料理ですか!楽しみです!!」


シンの言葉を聞いて嬉しそうに言う。


「まぁ、大したもんは作らんがな」

「でも楽しみです!」


新しく買ったローブのお陰かそれともシンの料理が食べれることが理由か分からないが酒場につくまで一度もシンにせおわれることはなかった。


夕日が町を照らす時間帯に酒場につく。

思った以上には早い時間だ。


「ただいまさんっと」

「ただいまです」


扉を開けながら帰ってきた挨拶をする。

カウンターの向こうでガラスコップを磨いてるスフィニャが返事をする。


「おかりなさいにゃ」

「悪いが厨房借りるぞ」


そう言ってイリアを待たせてる間に買った食材を厨房に持ち込む。


「お金がないからにゃね……構わにゃいけどできるなら、今日のコックをやってくれると嬉しいにゃ」

「馬鹿いうな、明日迷宮潜るんだぞ。んなことできるか」


手馴れた手つきでフライパンと包丁などの調理器具を出し始める。


「悪いがイリア、買ってきたやつ全部、部屋に持ち運んどいてくれ」

「はい!」


買ってきた荷物を二階へとイリアが運ぶ。

その間に食材を刻み始める、ベーコン、玉ねぎなどが素早く刻まれていくのを感心した表情でスフィニャが見る。


「相変わらず、うまいにゃ。どこで、習ったにゃ?」

「昔、飲食店でバイトしてたんだよっと」

「バイトって何にゃ?」

「あー……まぁ、働くことだな」


そんなことを話しているといつの間にかイリアがカウンター席に座ってシンを眺めている。


「うわぁ、すごい」

「もう少し待ってろよ。悪いがコ米貰うぞ」

「代わりにスフィニャ分も頼むにゃ」

「へいへい」


しばらくして、イリアの目の前にオムライスが置かれる。


「わぁ…おむらいすだ」


目を輝かせ、歓喜の声でるイリア。

その間に自分とスフィニャの分のオムライスとキャベツのスープが入った皿を置く。


「ありがとにゃ」

「とってもおいしそうです」

「舌、気をつけろよ。ちゃんと冷ましてから食べろよ」


そう言いながらスフィニャの顔を見る。


「熱いっにゃっ!!」


すでに遅かったみたいだが。

イリアは喜びの表情で、スプーンを握り締め食べていた。


「とっても、おいしいです!お店で食べたのよりも!!おとうさんはすごいです!!」

「ありがとよ。スープならおかわりあるからな」

「はい!」


こうしてその日は過ぎていった。



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