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図書館


「しかし、あれだな」

「ん?」

「実は、初めてだな……友というものは」

「そうなのか」

「ああ、慕ってくれる者はいるが……友になってくれと言っても断られてしまうからな……残念だが」

「立場的な奴か」

「ああ」


貴族だからな、流石に立場の差とかで断るとかだろうな。


「だから、シンが私の一番初めの友ということになるな」

「そいつは光栄だ」


そう言って笑って見せる、メロウも楽しそうに微笑む。

メロウの顔を見て考えが一つ浮ぶ。


……待てよ、メロウなら図書館に入ることが出来るんじゃないか?

いや、入れるはずだ……本を借りて貰えるか頼んでみるか?

駄目もとで聞いてみるか断られたら……それはそれで諦めるしかない。


「一ついいか、いきなり図々しくて悪いんだが」

「どうした?」

「本を借りてきて貰いたいんだが……駄目か?礼ならするが」


その言葉に訝しげな顔をするメロウ。


さすがに無理か……


「本なら中に入って借りれば……そうか、すまんな。入ることができないのか」


どうやら、頼んだ理由に気づいたらしい。

そこで頭を下げお願いする。


「ああ、だから代わりに借りてきて欲しいんだが」

「何も頭をさげなくてもいい。なら、一緒に行こう」

「いや、俺は入ることができないんだが」

「そのことなら大丈夫だ。安心してくれ」


そう言って、立ち上がり図書館の扉に向かって歩き出す。

シンもメロウの後を着いていく。


俺は入れないんだが、安心してくれってどういうことだ?


とはいえ、考えても仕方が無いのも事実だ。メロウに考えがあるならそれを信じた方がいいだろう。


そう考える。


扉を開け、図書館の中に足を踏み入れる。


「こいつは凄いな」


思わず口に出ていた。図書館の外見から中も相当だろうとは考えていたが実際に見るのとでは、やはり違う。

天窓から光が入り、至るところに本棚が並んでいる。奥では机と椅子があり色んな人が思い思いに本を読んでいる。


一生かかってもここの本を全部読むのは無理だろうな。


そう考えてもおかしくないぐらいの本の量であった。

シンが色々と見ている間にメロウは受付のような場所に歩いていき、そこに座っていた女性と何かを話している。


遠くからで何を話しているのかは聞こえないが、メロウが二言三言話したのだろう瞬間、女性が勢いよく立ち上がり頭を下げているのが見える。


相当、偉い貴族なのかも知れないな……

王族?いや、流石にそれはないだろう……ないよな?


頭を下げている女性を見て、少しだけ心配になってきた。


とんでもないのと友達になったのかもしれないな……まぁ、貴族のお偉いさんと知り合えるどころから友達になれるなら、まぁ、悪いことはないだろう。


そんなことを考えているとメロウがこちらに向かって歩いてくる。

その後ろで女性はお辞儀をしたままだった。




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