風呂とご飯
店員を呼び、注文し待つ。
イリアは心なしかそわそわしている、楽しみなのだろうか?
店員が出てくる厨房を見ているイリアを見ながら時間を潰す。
しばらくすると店員が注文の品を運んできた。
「こちらご注文のミートスパとオムライスでございます」
「俺がミートスパでオムライスはコイツ」
注文を受け取り品の名前が書かれた紙を受け取る。
「どうだ」
フードの隙間からじっーとオムライスを見つめるイリア。
指先でケチャップをつついてい、恐る恐ると言った顔で舐める。
指を口に咥えると…笑顔になった。
オムライス一つで表情がコロコロ変わるな、正直見ていて面白い。
「ほら喰えよ」
「はい」
スプーンを渡すと握り締めオムライスを掬いそのまま口に運ぶ。
「おいしいです!」
「よかったな」
自分もミートスパを口に入れる。
相変わらずうまい、かなり量のあるひき肉とそれに合うソースそしてそれに絡み合う麺が絶妙だ。
それに比べて昔喰った、スフィニャのスパゲティは酷かった。
不味いってものじゃなかった、スパゲティではなく伸びに伸びたうどんの味がした。
あの肉球から作り出される料理はどれも喰えたものじゃない…
そんなことを思いミートスパを口に運んでいると先にイリアが完食した。
「どうだった」
ケチャップまみれの口を見ながら感想を聞いてみる
「おいしかったです!」
元気の良い返事が返ってきた。
口元をハンカチで拭いてやり、デザートとコーヒーを注文しておく。
にこにこしながら座っている。
俺が食い終わるころに、コーヒーとケーキが運ばれてくる。
「ほら」
「ありがとうございます」
ケーキを渡し、コーヒーを飲む。…苦い。
イチゴの乗ったケーキをじろじろと見つめフォークでイチゴを刺した。
最後に残す派じゃないのか…そう思って見ていると、またも、満面の笑みになる。
「これ、すごく。すごく、おいしいです!!」
「そうか、よかったな。今食べたのがオムライスとケーキだ覚えておけ」
「はい!!」
フォークを先ほどより強く握り締めるとケーキを完食しにかかる、その様子を見ながらコーヒーに啜る…苦い、砂糖を加えるかな。
食べ終えると会計を終え、その足でそのまま大衆浴場に行き汚れを落とす。
またも貸切状態であったのでゆっくりと疲れることができた。
前はアバラが浮き出ていてみるからに栄養不足な体であったが今は痩せてはいるがアバラがでるほどではない。
少し安心した。
「そろそろでるか」
褐色の肌が赤くなり茹っているイリアに声をかけ、風呂場を出る。
すこしふらふらするイリアに服を着せ、おぶる。
「そうしていると…」
「何だ?」
「いんや…ほら、オマケしとくよ」
番台のばあさんが牛乳を二本差し出す。
「あんがとさん」
「ありがとうございます」
礼を言っておく。
「戻ってからな、飲むの」
「はい」
素直に返事をする、イリアをおぶったまま戻る。
途中から後ろで寝息が聞こえてくる…まぁ、今は休ませておく。
酒場に戻ったら忙しくなるしな。
そう思い、起こさないように酒場までの道を歩きはじめた。




