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家族


この森で生活し今日で七日目だ。イリアも大分使えるようになってきたのと初めて会ったときにくらべ大分肉がついた。

あの消す力についても大分分かることがあった。

まず、道を消していられるのは大体三日間、それ以降は通れるようになるらしい。

効果は魔物の強さにもよるらしく、日数がたてば通れる奴もいれば消したばかりでも気にせず通れる奴がいることも分かった。

こういう強い魔物が通った道は弱い魔物でも通れるようになる。

道が壊れるという所だろ。


中々、便利だ。弱い奴に邪魔はされずに行動でき、消したばっかの道が壊れていたら、辺りに強いのが存在することがわかり、警戒できる。

素晴らしく役に立つが、魔物にしか効果がないのが惜しいところではある。

動物には関係ないらしく、どんな動物だろうと気にせずに消した道を通ることができる。

イリアの体力にもよるしな、少しだが使えばやはり体力を消耗するらしい。

どんどん使えるものではないのも頭にいれておかないといけない。


「どうしました?」

「ん、いや考え事をな」


食べる手を止め、イリアがこちらを見る。


「考えごとですか?」

「ちょっとな」


そう返し、晩飯の焼いた兎を齧る。

イリアが狩ってきた兎だ。初めは嫌がっていたが諭し、教え、どうにか狩った獲物を調理できるようにはなった。

食べながら適当な会話をする。


「パンが喰いたくなるな」

「はい」

「明日は魚になるが?喰えるか」

「大丈夫です、食べれます」

「そうか」


あまり、会話が続かない。

前日もそうだったから、気にはならない。


「あ、あの…一つ教えて欲しいのですが…家族ってどんなものですか?」


だが、その日はイリアから会話が始まった。


「急にどうした?」

「いえ、狩をしてる時に親子のシカをみたので…その、気になって…ごめんなさい」

「いや、謝る必要はないが…いきなりだな。あー家族ねぇ…産んでくれた関係とか、か?覚えてないのか?家族と過ごしたことは?」

「ないです。気づいたら…檻の中にいました」


だから、この質問か…


「ってもなぁ…家族がどういうものか何て難しいぞ。産みの親より育ての親とか言うしな」

「どういう意味ですか?」

「産むより育てる方が時間が長いから例え血が繋がってなくても育ててくれた方が愛情や恩義を感じるっていう、俺の国の言葉だな」


火の中に薪を追加する。


「まぁ、血の繋がりよりも深い繋がりがあるってことだ」

「深い…繋がり…」

「それで理解してくれ、そろそろ寝るぞ」

「…はい、おやすみなさい」

「おやすみ」


朝食を腹にいれ仕事の毛皮の枚数もついさっき集まり、時間に余裕ができたことで森の奥に少しだけ足を踏み入れることにした。

深く進む気はない、素材を少しだけ集めたら戻る。

しばらく果実や材木などを採取しつつ探索をしていた。

そして、枝を掻き分け進み。ようやく、開けた土地にでるとそれはあった。

思わず口に出る。


「これは…酷いな」


血と腐った肉の臭いが漂う。

何かに襲われ壊滅したテントと見るも無残な死体がそこら中にある。

鎧にこの国の国章がついていたので、冒険者ではなく、ニーニャの言っていた憲兵団であろう。


その光景を見てイリアはその場で嘔吐した。無理もない、こういう死体を見慣れているシンですら酷いと思える有様だ。

流石にしょうがない。


死体に近づき、調べることにする。

腐りかけているのが多く、そんなに新しくはない。

どの死体も乱雑に喰い散らかした後を見ると魔物の仕業ではなさそうだ、魔物に襲われたなら死体に心臓がないはずだからだ。

あいつらは必ず生物の心臓は喰っていくからな。ここにある、死体は喰い方が汚すぎる。


爪で引っかかれた傷と噛まれた傷か…

二足歩行で走る小型のトカゲが頭にでる。この辺りにいるとしたら、リアディノだが…あいつらは小型だ。

あれがやったにしては傷が大きすぎる上に集団で狩をするのに憲兵団の死体だけでリアディノの死体が一つもないのは、おかしい。

いくら何でも、リアディノに一方的に殺されることはないはずだ。

となると、深部の動物がここまで来たのか…?だとしたら…


「この場から早めに離れてた方がいいな」


死体の中から金目になりそうなものとテントにあった保存食をリュックに詰め、顔色の悪いイリアに声をかける。


「調子の悪いのは分かるが一端ここから離れるぞ」

「は、はい」


顔色がかなり悪いイリアを抱え、来た道を急ぎながらもゆっくりと進む。

あの場から大分離れたぐらいでイリアを降ろす。

その瞬間、気配を感じ後ろをみると数メートル後ろにソイツはいた。



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