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魔物


起きてから適度に休憩をとりつつ、ようやく目的の場所に到達する。

時間的には悪くない。

慣れた手つきで長い枝、短い枝をかき集めテントを作りあげる。

他の冒険者携帯用小型テントなどを使うがシンは作れるときは大抵その場で作り上げる。

理由は一つお金がないからだ。

まぁ、そのおかげでどこでも組めるようになったのはいいことだったかもしれないが。


その間にイリアには果物等を採取させている。食べれるやつが書いてある紙を渡しておいたから、毒の方は心配ないだろう。

魔物をすこしでもみたら逃げろとだけ言っておいた、そのせいで、大して果物を持ってくるはできないだろうが。

まずは魔物に慣れる必要があるのと警戒心を学ぶ必要がある。

イリアが戻ったら狩りに行くとしよう。

それまで、待つ。


日が少し傾いた頃に戻ってきた。

大事に抱えてる果物の量はそこそこある。

初めてにしては上出来だな。


「ど、どうですか?」

「悪くない、えらいぞ」

「ありがとうございます」


褒めると嬉しそうに笑う。


「魔物は見たか?」

「はい」

「どうだった?」

「怖かったです。けど、道を消すとこなくなったので安心しました」

「道を消す?」

「はい」


…どうゆうことだ?道を消す?意味が分からん。


「言ってることが分からないんだが、どういうことだ」

「えー、とですね」


身振り手振りで表現するのを見て聞くが…

さっぱりわからん。

イリアが必死に説明しようとしてのは分かるが、全然分からん。

このままだと埒があかない。


「どんなものか見せてくれ」

「わかりました」


イリアを先頭にし、ナイフを持って森の奥にはいる。

木の枝や急な坂を踏みながら歩き回ること数十分、呟きながら、歩くイリアが声を上げる。


「道…道…あっ!ありました」

「ん?あぁ、獣道か。これのことか道って。で、どうするんだ」


獣道をどうするんだ?木々で隠すのか?そんなことしても意味はないよな。

その疑問を解消するかのように、目の前で見せる。


「こうして、こうするんです」


そう言ってイリアの手が薄暗い光に包まれる。そして、その手で道に×印を書き、こちらを見る。


「終わりました」

「は!?」

「?」


そこで不思議そうな顔をされてもこっちが困る。

意味がわからん、手が光ったとは思う。その手で×印を書いただけだ。

道は消えてはいない…どうゆうことだ?


「これで終わりなんだよな?」

「はい」


頭を傾げていると、向こうから影が現れる。

魔物だ、大きいトカゲの姿をしており、額に結晶体がついている。

この結晶体が魔物と魔物でないかを分けるものらしい。ついているものは魔物ついていないのは魔物ではない。

こういうわけ方だ。

他の生き物よりも生命力が強い反面、体のどこかにある結晶体を壊されるとすぐ死んでしまうという欠点を持っている。


こいつは偶にみる奴だな。

額に結晶がある分、他の魔物よりは殺せやすい。そこまで恐れるやつではない。

イリアを後ろにやり木陰に隠れナイフを構えるが、こちらにはこない。

ゆっくりと道を確認するように這う。

トカゲは舌をだしながらきょろきょろする、見るとイリアが書いた×印のところで止まっている。

やがて、後ろを向き来た道を戻っていく。


戻っていった…イリアが書いた×印の前で…道を消すっていうのはこのことを言ってた訳か。

振り向いて尋ねる。


「これは、何だ魔法か?」

「わかりません。ただ、何となくできたので…」


首を横に振る。

何となくか…やってる本人が分からないなら、どうしようもないが…

正直な所これはかなり使える、わざわざ魔物を相手にしなくていいからだ。

不安そうな顔でシンを見る、イリア。


「何か駄目でしたか?」

「いや、驚いてただっけだ。この道はいつまで消していられるんだ?」

「わかりませんが…ずっとではないと思います」

「そうか」


ずっとではないか…まぁ、ずっとではないとしても、遭遇率を低くすることはできるな。


「とりあえず、戻るぞ」

「はい」


これが、ダークエルフは道を閉ざすってやつか?

確かに魔物は道が分からなくなってるようだし、そのことで言うなら、道を消しているのは確かだが…

俺には道は見えているし実際に道がなくなってる訳でもない。

仮に魔物だけに効果があるとしたら、これは重宝される力だ?嫌われる要因になるか?

アノン教の教えのせいなのか?


何個か疑問がでるが、そこで一端思考を切り替える。

まずは戻ってから考えよう。

とりあえず晩飯を用意だ、王都に戻ってからゆっくり考えても遅くはない。


そう思い、テントに戻ることにした。




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