第五話 冒険者はビビる
今回はアレン君がメインです。
てかアレンとあの方しか出てこないぃぃ!
Sideアレン
あ、オレ死ぬな。
あの「貪欲なる死の王」が訳のわからない魔術を使った時から薄々気づいていた。
何故ならヤツの使った【負の無限回路】と言う魔術は失われた古代魔法と呼ばれるモノだったからだ。
この魔術の効果は、対象者に一生分の“絶望”を与えると言う拷問魔術だ。
しかも一気にではなく徐々に絶望と言う感情をねじこんでいく、悪質極まりないものだ。
今すぐに浄化系統の魔術を使えば、まだ間に合うかもしれんが生憎そんな綺麗な魔術は持っていない。
だからオレは弟だけを逃がし、自分はここで最期を迎えると決めた。
「もうちょっと、楽しく生きたかったなぁ・・・クッ!これで最期だぁぁぁぁ!!」
最後の力を振り絞ってオレは右手で刀を握り、奥の手の武具を左手で掴む。
「【爆炎砕流】!!」
この【爆炎砕流】と言う技は、最高威力の爆弾を炎剣で斬るだけの技だ。だが、何せ最高火力の技だけあって、半径二キロメートルは更地に変える威力はある。
もちろん自分も、巻き込まれるがな・・・
「いくぜ・・・炎けn「聖なる神よ、我が声を聴き、かの者に処罰を下したまえ【聖なる断罪】」
なっ!?聖術だと・・・!
しかもえげつないほど質がいい!あの死の王が消えて行く!
「大丈夫か?」
「ああ、本当にありがとう。オレの命の恩人だ・・っ!?」
そこには、あの有名な勇者・マヒロと一緒に旅をし、唯一生きて戻って来た【女聖帝】、カムロ=ドラグナーがいた。
「い、命の恩人ですっっ!!」
あまりに整いすぎた美貌にヒビって、何故か敬語になってしまったオレは悪くないはずだ。
カムロさんは、プロローグに出てきた男口調の方です。
全然女です。ここ注意!