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第二十五話 勇者は偽る

お久しぶりです。詐欺師です。

 目の前には俺の両足であったものを握り潰している化物がいた。


 まさかそんな、なんと言うことだ。


 マヒロは、今自分に起こっていることを理解しきれなかった。慌てるわけでもなく、恐怖に震えるわけでもなく、ただ唖然としているだけであった。

 

その姿はまさに滑稽。


 それは相手より自分の方が優位に立てていると思い込み、威勢を散らして調子にのる子ども。そんな人間があり得ない現実に直面したときに見せる、


「嘘・・・だろ」


「現実を見ろ、屑が」


「・・・そんなわけねぇ・・・俺が負けるわけねぇよ、な。これは夢だ夢。きっと時期覚める」


『現実逃避』。コレが彼なりの最後の自衛だった。


「どうした?元々おかしい頭が普段味わえない痛みで狂ってしまったのか?」


「そうだ、これは夢。悪い夢なんだ。俺はここでコイツを殺し、ミアのとこに戻って精一杯抱きしめてやるんだ。それからリレイドからお礼に…」


「うるさいぞ黙れ。

「負け犬の遠吠えほど不快なものはない。やめなければ今すぐお前を肉塊にしてやることだってできる」


「そうだ、そ、それから屋敷で二人で一緒に住んで、子どもも作って、あ、名前は」


「・・・本当にコイツが勇者マヒロなのか?勇者が聞いて呆れる。何故このような屑にミアは惚れたんだ?全く…不愉快だ」


 現勇者、キイチは内心苛立ちを感じ、早く目の前のち肉塊を処分したかった。


 だがふと思う。それではキイチの愛する彼女が傷つくのではないかということを。


 今は目の前の肉塊のせいでキロミアが元の自分を取り戻している。そんな状況で何年も思い続けた人が、突然不慮の事故(・・・・)で死んでしまったと報告すれば、とても不自然過ぎるし、なにより彼女に精神的肉体的に影響を与えてしまうのではないかと。


「・・・しかたがない、次は一からマカトニーを作るか」


 一から作る。勇者キイチの本質を知らないものが聞くと、言っている事の意味すら理解できず、耳を疑うだろう。


 『作る』と言っても全てを一から作り直す訳ではない。どんない能力を持っていたとしても、あくまで人間。あまりに現実離れをしている。


 では、何を『作る』のか、どうして『作る』ことが可能なのか。


 魔法や魔術を用いても、日本と比べると科学が全く発達していない世界の技術を用いても、一から人間を再構築するなどということは出来ない。


 しかし、答えは簡単。『肉体』が駄目なら『精神』を、だ。


 勇者キイチはマヒロと同じように常識を逸する能力を持っていた。


 名は【偽り】


 キイチ本人と親しくなればなるほど、【偽り】の力は強くなる。


「これのせいでキロミアへの【偽り】の効果がうすれているな。…精々記憶をいじる程度か」


 それでも今は充分である。目の前のこれに関する記憶をキロミアから排除すればいいだけのこと。ただ、それだけ。


「…屑が」


 そう言ってキイチは屋敷のある方へ戻るのであった。











「作戦、大成功」

これはひどい。


※報告 ああ、受験が!受験が!(訳:皆様お久しぶりです。いつもまじゅ(ry を読んでくださり有難うございます。なんとなく察している方もおられるかもしれませんが、私受験を控えてる身でありまして…誠に申し訳ありませんが、一時的に連載停止にさせて頂きます。え?いつも休んでるようなもんだろって?………誰の話?(すっとぼけ))

というわけで、一時的に休みます。受験終わったらひょっこり帰ってくる予定です。絶対エタらせんぞ!

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