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第二十話 少女は恋をする

お久しぶりです。大変長らくお待たせいたしました。キロミアsideのお話です。色々情報が欠けていますが、それは後々出てきますのでご心配なく。

Side キイチ


 僕達はあの後、謎の女性を連れてミロの屋敷に帰ってきた。


 この女性、肌が病的なほど白く、そして美しい。千里達がこれを見ればどうやって肌の手入れをしているか小一時間問いただしそうだな。


 と少し分析をしていると、ミロが


「・・・何見てるんですか」


 と、顔をムスッと膨らましていつものようにこっちをジト目で睨んできた、のではなく、ただ、静かに僕を見つめてきた。


 いつもとは違う反応に少々驚きつつ、ここは無難に謝っておく。


「いや、すまない。ただ、どんな人なのか気になってしまって」


「そう・・・ですか」


いつも何か違うと思いつつ、ここでその理由を聞いてどうする訳でもないし、なにもする事がないので退出するとしよう。


「すまないミロ、僕は疲れたから少し休憩してくるよ」


「分かりました。おやすみなさい」


「あぁ、おやすみ」


 ・・・それにしてもやっぱり何かおかしかったな、さっきのミロは。明日機会があれば聞いておきたいな。そう思いつつ、僕は二階にある寝室に向かって行った。



 ◇◆◇◆



Side キロミア


「ふぅ・・・」


 私はキイチさんが出ていったことを確認すると、小さくため息を吐いた。


 あの(・・・)があってから以来、作り物の自分で生きてきた。理由はひとつ、両親を心配させたくなかったから。


 確実にあの頃の私は自分で精一杯だったはずなのに、無理して他の人に心配をかけないよう明るく振る舞っていた。


『何があっても常に笑顔で』ある人に言われた言葉。昔からこれを志して生きてきたが、今となってはただの呪縛でしかない。


 あれ以来から本当の自分と言うものを失っていたと思う。


 しかし、私は偽りの自分を作ることで立ち直れた。これが良かったことなのかなんて私には分からない。


 けど、これだけは確かだ。

 『私はこの役を演じることによって自分を保てている。』


 ・・・急にこんなことを思うなんて、私、今日疲れてるのかなぁ。

 なんだかこの人と出会ったときくらいから無性に胸が、こう、もやもや?する感じなんだよね。


 何か引っ掛かる。私はこの人の何かを知っている。そんな気分でもある。


 でも、今のところ目覚めそうにもないし(というか、さっきお父さんがこの人の体調を見るために、強制的に睡眠の魔法をかけたからだけど)その原因は分かりそうにない。


 なんか今日は疲れてたし、何もすることがないから私も一眠りしようかな・・・誰か分からないけど、おやすみなさい。


 一方的な挨拶を終えると、私はこの部屋を後にした。


 さて自分の部屋に戻ろうかな、と思った矢先、彼女が起きたとき誰もいないと困惑するだろうという事に気付く。


「よく考えれば分かるんスけどね・・・ハァ」


 何やら、今日の自分は本当におかしいようだ。取り敢えず、気分を落ち着けるために彼女が起きるまで、ハーブティでも飲んで、ボーっとしとこうかな・・・


~~~


 私が部屋に戻ると、目が覚めたのか彼女は部屋をキョロキョロ見回していた。


 『タイミング悪っ!!』て思ってしまったのは仕方ない。だってついさっきまで、ここでゆっくりお茶でも飲もうかなって思っていたのに・・・どうしようもないか。


 私が話しかけると彼女は何だかビクビクしながら返事を返してくれた。その姿が、まるで銀狼(シルバーウルフ)に怯えた角兎(ホーンラビット)に見えてなんだか可愛かった。


 顔こそあまり見えないけど、きっと美人なんだろうなーとか考えつつ、彼女は自分が何者か知らないので怯えているのかなと思い、自己紹介をすることにした。


「あ、自己紹介忘れてたっス。私の名前はミロ=マカトニーって言うっス。よろしく!」




 その返答は、『私』が望んでいたものなのかもしれない。


 あの時のように、愉快で、豪快で、賢くて、格好よくて、強くて、変態で、そして、優しい。心の奥ではいもしないはずの、そんな彼を待ち望んでいいたのだ。


 だけどそれも今日で終わり。

 

 どんなに姿形が変わろうが、例え性別が変わってようが、私には関係無い。


 私の初恋の相手。それでいて最初の失恋相手。


 そんな彼がもう一度私達の前に現れた。


 

 それなら・・・もう一度くらい『本当の恋』をしてもいいですよね、神様?

色々あって(主にテスト)遅れました。

文がちぐはぐかも知れないです。おかしなところがあったらご報告していただけたら幸いです。

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