第零話 呪い (上)
ふぁぁ~・・・
・・ここは何処だ?
何でこんな所に居るんだろうか・・・
あぁっ!!そうだ!魔王城に最後のケンカふっかけに行って、
カムロを助けるために死んで・・・え?
死んだ?俺、死んだのか?嘘だろ!
「嘘じゃない、君は死んだよ」
「誰だ!!」
なんだこの頭の中に直接響くような声は。どうなってやがるんだ・・
「君は実に不幸だ。家族は全員亡くなり、やっとの思いでできた友人とはすぐに離れ離れ。挙げ句には異世界に拉致されて、そこでできた親友を庇うため死んだ。実に不幸で、妙にできすぎた話だと思わないかい?」
何で知ってやがんだ・・!クソッ!
できすぎたはなしだぁ?しるか!!俺はもう分かってたんだよ!俺に親しい人は全員!何かしらの形で俺と永遠に離れて行く!これは、もう不幸とは言わねぇ・・・ただの呪「わかっている。それはただの呪いだ。しかしだ。君がそれを認めれば、君はもう呪いとしてその中に取り込まれてしまう。」
取り込まれる・・か、別に俺は取り込まれてもいい。いや、取り込まれたほうがいいんだ。もう悲しみを見るのも背負うのも疲れたよ・・・
「君が取り込まれたら、また他の人も同じめにあうぞ」
っ!!
「君がこの負の連鎖を断つんだ。私も協力しよう。なに、方法ならいくらでもある。確実に、的確にその呪いを消していこう。癒ヶ御 真弘君。」
それは、人の形をした、人ではない神聖な雰囲気をした“神”だった。