第七話 兎は確保する
今回も、うさぴょんだけです。
罠を仕掛けるっていい案じゃないか。
最終的にこうなりました。
まずは、俺があの【魔豚】の住みかの前に大きな穴を掘る。勿論、掘る時間は豚たちが居ない時だ。
そして、穴の中の空間を【歪み】(チート)で別空間にする。これも補足だが、穴の空間の面積が俺よりデカイから、このチートが使えるようだ。
他にも、川の水の一部に【歪み】を使ってみたら、なんかよく分からない状態(黒い水の様な物体が宙に浮かんでいる状態)になった挙げ句、亜空間の様な物になったので、すぐにチートを使う事に若干の恐怖を覚えた。
何この恐ろしい能力っ!怖っ!!ってなってしまった。
空間にチートを使うと別空間になる事は、まだ試していない。だって怖いんだもん!
もし、小さなブラックホールの様なものができて此処ら一帯を吸い込まれたら・・・等と考えてしまい全くチートを使う気にはならなかったよ。
が、
残念な事に恐怖心は食欲に負けてしまったようだ。
どうにかしてあの豚を食べたいんだよっ!兎なんだから草食べてろって?バカ!草とかただの毒草しかねぇよ!食べた瞬間逝っちゃうよねっ!
はぁはぁ・・ま、まぁとりあえず豚たちを、穴と言う名の別空間に落としたら、毒草をすり潰した粉塵を穴にまくんだ。
そうするとみるみるうちに豚が弱っていき、最終的には全部動かなくなる。
で、豚を回収して毒を処理したら頂きます!だ。
と、まぁこんな感じの作戦だ。
名付けて「豚がゴートゥーヘル、お腹もヘルが食べ物ゲット作戦」だ(ドャァ
・・・うん、分かってる。言った本人が一番分かってるから。そんな冷たい目で見ないで・・・
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てな訳で、穴掘って豚の帰りを待ってます。
穴の空間を【歪み】で別空間にすることは見事に成功した。
見た目は只の穴だが、覗いてみるとあら不思議、底の見えない真っ暗闇が広がっている。最初見た時はビビったよ・・・
おっ!帰って来やがった!
よし、罠にも気づいていないな。
あと数メートル・・・よしっ落ちる!
「ブヒィィィ!?」
「ブゥゥヒィィィ!?」
二匹共落ちたっ!しかも一匹小さいがレアなのが混じってる!そそるぜっ!(←キモ
「キュゥゥゥ!!!(肉ぅぅぅ!!!」
俺は穴にめがけて特製毒薬を投げた。
ものの見事に穴に入り、俺は小さくガッツポーズをした。てか、偶然入っただけだったけどな。悲しくなってくるよ・・
魔獸に転生してから、初めて食料を得て思ったが、
(【歪み】のチートって結構便利じゃね?)
こんな事を思ってしまった。
しかし、この言葉を簡単に裏切ってくれるのが神様(笑)クオリティだと
言う事を、近々思い知る羽目になってしまうことをこの時の俺はまだ知らない。
[魔生物について]
【魔生物】
魔獸、魔人、魔物などの「魔力」を主な栄養源としている物、生物
【害獸】
魔獸の中でも一番危険度が低いが、農作物を荒らすなど、簡単に言うと迷惑行為などをする魔獸。人に害はあまり与えない。