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初小説です。ドキドキです。一応、完結目指し頑張ります。


さよならを伝える日が近いことなんてわかっていた。



用事があると言って出かけて行った日、街で偶然彼を見かけた。

真っ赤なワンピースの女性と二人。

私とは違い背の高くすらっとした彼女は長身の彼とすごく似合っていて、そこにいるだけで絵になる二人だった。

二人は腕を組み仲がよさそうに私の目の前でホテルに入って行った。

そして、その夜彼が家に帰ってくることはなかった。

翌日帰ってきた彼は普段と別段変った所もなく、いつも通り過ごしていた。

見間違えであって欲しい。思いすごしであってほしい。そう願う心とは裏腹にやはり…という思いが心の奥から消えていかない。

それからしばらくして、彼はたびたび仕事といって家を空けるようになった。


やっぱりそうなんだ。


2か月前くらい知らない相手からメールが届いた。

内容は彼と別れろといったものだった。最初はいたずらかと思っていたけれどもそのメールに私はだんだんと振り回されるようになった。メールの数とともに増えていく彼のつき合いという名の外出。彼は気づいていなかったかもしれないけれど、かすかに女ものの香水の匂いがしたこともあった。以前、同僚がつけていたものだったのですぐに気がついた。

飲んでくると言って遅くになっても帰ってこない彼、以前だったら息抜きも大切だよねっと思えていた。でも、小さな不信感は私の中で少しずつだけれど確実に大きくなっていった。

彼と付き合ってからずっと、会社でも人気の彼がなぜ美咲を選んでくれたのかわからなかった。彼とつりあっていなんじゃないか。自信が持てなかった。そんな美咲にあの女性のことなど追及できるはずもない。

家を空けることが多くなる彼に1人家で待つ時間も増える。消そうとしても消えないあの日の光景は美咲の中に小さな闇を生みどんどんと大きくなっていく。美咲の心は今にも押しつぶされてしまいそうだった。


1人でいると嫌なことばかり考えてしまう。

今頃彼は彼女と―――。


もう嫌――

彼が一緒にいるときでもそう。この手で彼女の髪をやさしく撫でたんだろうか、この瞳で彼女を見つめたんだろうか。

考えたくないのに考えてしまう。

大好きな彼が一緒にいてうれしいはずの時間も心が苦しい。

もう何も考えたくない。何も―――。

不安の嵐が吹きすさぶ心とは裏腹に日々の生活は変わりなく穏やかに続いていった。彼が家を空けることが増えたことをのぞいて。


あの日仕事といって家を出て行ったきり彼は帰ってこなかった。

言外にほかの女性の存在を示していたのね。徐々に家にいる時間を減らすことで。

いい加減わかれっていうことなの?


美咲の心は今にも崩れ、壊れてしまいそうだった。



もうこの家を出て行った方がいいかもしれない。

もともとここは彼のマンションだし、彼がいないのに私が1人でいるなんておかしい。

それに私がいるから帰ってこないだけなのかも知れない。

大丈夫。大丈夫。次の部屋が決まるまでのしばらくの間は友達の家にでも泊めてもらえばいい。


寝室に行くと美咲はクローゼットを開け隅に置いてある大きなボストンバックを手に取った。


誤字脱字指摘歓迎です。でもなろう自体の使い方がよくわかってない&マメじゃないのでその点をご了承いただけるととてもうれしいです。

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