プロローグ
「また今度」
「また今度」
そう言ってあたしたちはどれだけのものを失ってきたのだろう。
たとえ失ったものがあたしたちにとって大切なものだったとしても、一度失ったものはもう取り戻すことはできない。
だけど、その後どうするかはあたし次第。
「なるーっ!」
「かよーっ!」
夢を見た。
あたしの1番の友達、那流と駆け寄って抱きつく夢を。もう二度と叶うことのない夢。
会いたい。会っていいたい。ごめんねとありがとうを、あたしの救世主 那流に。
小学生のあたしは引込思案でいつも一人だった。いじめられてるわけではなかった。でも、一人でいるぐらいならいじめられたほうがいいと思った。だって、みんながあたしの存在を忘れずにいてくれるならそのほうがずっとよかったから。
中学生になったあたしはなにも変わらなかった。でも、中学生になったあたしには友達ができた。引込思案なあたしに初めてできた友達。那流…。那流はみんなの人気者だったのにこんなあたしに声をかけてくれた。毎日毎日。今思うと相当大変だっただろう。だって最初のうちは首を振るだけだったから。それなのに那流は毎日話かけてくれた。そんな那流にあたしは少しずつ心を開いていって…
初めて学校が楽しいと思った。
初めて笑いあえる仲間ができた。
平日は放課後までくだらない話で盛り上がって、休日はみんなで遊びいって…夢のようだった。
今にもこの夢が覚めてしまわないか不安でしょうがなかった。
そして、そんな気持ちも忘れたときに
夢は覚めた。
あの時…
「ねぇ、かよー明日空いてる?」
「ごめん。明日、補習なんだぁ。」
一緒に行ってれば…
「そっかぁ。白雪っていう新しくできた雑貨屋があってねぇ、行きたかったんだけど、補習ならしょうがないからまた今度一緒に行かない?」
補習なんかよりもっとずっと大切なもの…
「うん、また今度行こう!!」
守れたかもしれないのに…
この後 続くかどうかわ、作者次第w((