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異世界複製錬金術師~所有した物を無限コピーするチート錬金で武器も罠も量産無双~  作者: あくす
第四幕 反撃編~対四天王~

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第111話:深める絆

リュステリアの街を覆う不穏な気配を背に、アドルとミーシャは懐かしい屋敷の門へと辿り着いた。


修行を終え、リーネの権能で一瞬にして移動した二人の目には、見慣れたはずの門扉がひどく遠い記憶の遺物のように映った。


「たった数ヶ月なのに、めちゃくちゃ久しぶりに感じるな……」


アドルが門を開け、足を踏み入れる。


そこには、数ヶ月前と変わらぬ庭の風景があった。


そして、その一角で腰を屈め、一心不乱に魔力草を摘んでいる背中が見えた。


「カミラ」


アドルの声に、その背中が跳ねるように強張った。


ゆっくりと、恐る恐る振り返ったカミラの瞳に、逆光を背負って立つ主人の姿が映る。



「え……ご主人様!?……ご主人様~~~~っ!」



カミラは持っていた籠を放り出し、泥も気にせず駆け寄ってきた。


その勢いのまま、人目も憚らずアドルの胸へと飛び込む。


「長いこと空けてすまなかったな」


「本当ですよ……! どこかで野垂れ死んでるんじゃないかって……本気で心配したんですから……!」


腕の中に伝わる震えと、胸元を濡らす熱い涙。


アドルは彼女の背中にそっと手を回し、その重みを確かめた。


この温もりを守るために、自分はあの地獄を生き抜いたのだと、改めて実感する。


「ちゃんと、強くなって帰ってきたつもりだ。……ルルはどうした?」


「ルルちゃんは今、ダンジョンに行っています。……帰ってきたら、きっと腰を抜かしますよ。さあ、お疲れでしょう。屋敷に入ってください。ミーシャ様も……本当にお疲れ様でした」


カミラは涙を拭い、ミーシャの手をギュッと握りしめた。


その手には、留守を守り抜いた者の力強さが宿っていた。



屋敷のリビング。

カミラが淹れた温かいお茶の香りが、修行で張り詰めていた二人の神経を優しく解きほぐしていく。


「見た目は変わっていないのに、なんだか風格というか、纏っているオーラが全然違いますね、お二人とも……」


「そうかな? たしかに、異次元の修行ではあったけれど……ドラン様の師匠直伝だからね」


ミーシャが苦笑混じりに言うと、カミラは目を丸くした。


「えええええ! ドラン様に師匠なんていたんですか!? 知りませんでした……」


「ああ、俺たちも驚いたよ。あの人が『大師匠』だったなんてな」


そんな思い出話を交わしていると、玄関の扉が勢いよく開いた。


「ただいまーなのー! ……えっ、えっ? アドルとミーシャなの!? ふぇぇん、おかえりなの~~~っ!」


駆け込んできたルルが、二人の膝に体当たりするように抱きついてくる。


「ただいま、ルル。随分、心配と苦労をかけたな」


「ルルは、ルルは全然大丈夫だったもんっ! ちゃんとピヨちゃんと一緒にお留守番してたんだから!……ふんす!」


涙目で見栄を張るルルの頭を、アドルとミーシャは交互に撫でた。

四ヶ月という空白が、一瞬で埋まっていくような、穏やかな時間が流れる。

その夜、屋敷では二人の帰還を祝う豪華な晩餐会が開かれた。



その日の深夜。

アドルの部屋のドアが、静かにノックされた。


「コンコン……ご主人様、入ってもよろしいですか?」


「ああ、カミラか。こんな時間にどうしたんだ」


ドアが開くと、寝巻き姿のカミラが立っていた。彼女は部屋に入るなり、再びアドルに強く抱きついた。


「すみません、こんな夜更けに……。皆の前では、つい強がってしまって」


「……カミラ」


「ご主人様……私、本当に不安だったんです。屋敷がなくなるかも、もう二度と会えないかもって。もしそうなったら、ご主人様に顔向けできないって、そればかり考えて……」


アドルは、彼女の華奢な体を抱きしめ返した。

その震えが、彼女が背負っていた重圧の正体だった。


「不安にさせてすまなかった。……もう、どこへも行かない」


「はい……もう、離さないでください。……私、ドラン様に言われたんです。『幸せになれ』って」


「ああ、そういってたな」


カミラはアドルの胸に顔を埋めたまま、熱い吐息と共に告げた。


「私の幸せは……ここにあります。アドルさん、私、アドルさんが好きです。あなたが居ない人生なんて、もう考えられません。どうしても……今夜、伝えておきたくて。ミーシャ様には、もう話してありますから……」


カミラが顔を上げ、潤んだ瞳でアドルを見つめる。それは、一人の女性としての、剥き出しの覚悟だった。


「……カミラ」


アドルは彼女を愛おしそうに抱き寄せ、優しく唇を重ねた。だが、カミラはその唇を離すと、潤んだ瞳で訴えかける。


「そんなんじゃ……足りません」


今までの孤独な時間を埋めるかのように、二人は互いの存在を貪り合った。

窓の外でリュステリアの夜風が吹く中、二人の情熱は夜が明けるまで止まることはなかった。


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