表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】異世界複製錬金術師~所有した物を無限コピーするチート錬金で武器も罠も量産無双~  作者: あくす
第一幕 生存編~生き抜くために~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/208

第1話:待ち合わせは異世界の森で

湿った土の匂いが鼻を刺した。


「グギャァァッ!」


耳を裂くような咆哮。

目の前にいたのは、人間じゃない。


濁った緑の肌、棘だらけのこんぼう。

ゴブリンだった。


「は……?」


五十嵐秋人――いや、アドルは思考が追いつかないまま、後ずさる。


「ミーシャ、下がれ!」


「アドルさんっ……!」


状況の理解よりも先に、身体が動いた。

足元に転がっていた枝を掴み、叫ぶ。


「錬成ッ!」


光が弾け――砕けた。


枝は粉々に散る。


「な、なんで……!」


ゴブリンが飛びかかる。

棘が肩を掠め、焼けるような痛みが走った。


「アドルさん! これ!」


ミーシャが震える手で差し出したのは、太い枝。


アドルはそれを掴み、歯を食いしばる。


「錬成ッ……!」


光が走る。

――が、また砕けた。


「くそっ……!」


二回、三回。


出来上がるのは脆く崩れる木屑ばかり。


ゴブリンのこんぼうが脇腹に叩き込まれる。


「っ……!」


膝が折れる。

息が詰まり、視界が揺れる。


「アドルさん! 立って……! まだ……!」


ミーシャが必死に周囲を探り、転んだ拍子に拾った“重い流木”を差し出した。


「これ……! これなら……!」


アドルはそれを握った瞬間、違和感に気づく。


重さ。

密度。

重心。


“構造が見える”。


「――錬成ッ!!」


光が爆ぜる。


手の中に現れたのは、棘のついたこんぼう。


「うおおおおッ!」


振り下ろされたゴブリンの武器を粉砕し、

そのまま脳天へ叩き込む。


乾いた音。


ゴブリンは崩れ落ちた。


「……はぁ……っ……」


荒い呼吸。

膝が笑う。


「……ミーシャ……無事か……?」


「うん……うん……!」


ミーシャは涙をこらえながら頷く。


その時だった。


倒れたゴブリンの身体が、光の粒になって崩れ始めた。


「……消えてる……?」


赤黒い血も、肉の重さも、すべてが淡く溶けていく。


「……ミーシャ。これ……ゲームじゃないよな」


言葉が返ってこない。


ただ、冷たい森の空気だけが現実だった。



――数分前。


2026年1月、新宿。


アルタ前の雑踏の中、アドルはスマートフォンを握りしめていた。


(……落ち着け。ただのオフ会だ)


数年間、チャットだけで繋がってきた女性。

ミーシャ。


人混みの向こうから、一人の女性が迷いなく歩いてくる。


「……アドルさん、ですよね?」


その声で、すべてが止まった。


画面越しよりもずっと綺麗で、凛としていて。


「……ミーシャさん」


互いにぎこちなく笑った、その瞬間。


視界が白く弾けた。



「……アドルさん!」


ミーシャの声が震えている。

気づけば、上下も距離感も分からない“白だけの空間”に立っていた。


「なに……ここ……?」



『落ち着け。説明する』


空間が震え、光が人の形を取る。


『私は次元管理神だ。君たちは時空の歪みに巻き込まれた。元の世界には戻れない』


「は……? 戻れないって……いや、意味が……」


理解が追いつかない。


『元の世界に戻れない代わりに、剣と魔法の世界で生きてもらう』


身体が突然、熱に包まれた。

筋肉が締まり、視界がクリアになり、皮膚が若返っていく。


「ちょ、ちょっと待って……! なんで……!」


『肉体は20代前半に再構築した。精神はそのままだ』


ミーシャが自分の手を見つめ、息を呑む。


『アドルには【複製錬金】を授ける』


・素材さえあれば所有物は100%複製可能

・未知の物は“想像錬成”(低確率)

・鑑定で素材情報を把握


『ミーシャには【異空間保存】だ』


・時間停止

・容量無限


『そして――アドルはミーシャの空間内の物質を自由に引き出せる』


「ちょっと待ってください! 私たち――」


『説明は以上だ。あとは生きろ』


白が弾けた。



再び森。


アドルは折れかけたこんぼうを握りしめ、息を整える。


「……とにかく、生き延びるしかない」


ミーシャは強く頷いた。


二人の異世界が、今始まった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

もし「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたら、

【ブックマーク】や【評価(★↓のポイント)】で応援していただけると、とても励みになります!

一つ一つの反応が、更新のモチベーションに直結しています。

リアクションも大歓迎です!

引き続き、アドルたちの物語を楽しんでいただけたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここまで読んでいただきありがとうございます! もし「面白い」「続きが気になる」と思っていただけたら、 【ブックマーク】や【評価(★↓のポイント)】で応援していただけると、とても励みになります! 一つ一つの反応が、更新のモチベーションに直結しています。リアクションも大歓迎です! 引き続き、アドルたちの物語を楽しんでいただけたら嬉しいです!
― 新着の感想 ―
あくすさ〜ん! なろうにもいるじゃないですか! こちらこそでもよろしくお願いしますね( ・́∀・̀)ヘヘヘ
Xから来ました!一人での転移はよく見かけますが、二人のものは珍しいですね。これからどのように協力していくのか楽しみです。少しずつ読ませていただきますね\( ´ω` )/
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ