第1章: アルゴンとセレンの過去
時は、秀城が元素界に来る遥か昔。アルゴン(Ar)とセレン(Se)は、若き日の元素使いとして、ウーア文明の遺跡を発掘していた。
アルゴンは、不活性ガスの核を持つため、感情を表に出さない冷静沈着な青年。セレンは、半金属の核を持ち、強い探究心を持つ活発な少女だった。
二人は、遺跡の奥で、先代の『守護者』であるロジウム族の老賢者と出会う。
「君たちか。元素界の調和を担う、次世代の核を持つ者たちよ」老賢者は微笑む。
老賢者は、次元回廊を安定させるための最後の力を使い果たし、肉体が崩壊しようとしていた。彼は、アルゴンに『不活性の核』を持つ者としての『世界の観測者』の役割を、セレンに『半金属の核』を持つ者としての『知識の継承者』の役割を託した。
「世界は、動的な調和を必要とする。アルゴン、君の『静かなる観測』と、セレン、君の『熱心な探究』が、必ず世界を守るだろう…」
老賢者は光となって消滅し、アルゴンとセレンは、その場で、『元素の旅人』を迎えるための守護者となることを誓い合う。
感想等お待ちしています




