第2章: 戸塚教授の元素界観光
秀城の招待で、戸塚教授(の意識体)が、「法則の空」から具現化されたホログラムボディで、初めて元素界観光にやってきた。案内役はオクシアだ。
「オクシア君!見ろ!あの浮遊島の重力と、地表重力の比が、$3:1$だ!さらに、空中に浮かぶ魔法生物は、反磁性体でも超伝導体でもない!なぜ浮いている!?」
教授は、懐中から取り出した元素界版の物理学手帳に、猛スピードで数式を書き込みながら、興奮を隠せない。
「教授!落ち着いてください!元素界では、『法則のエーテル』が重力と磁場を魔法的に補正しているのです!あなたの物理法則は、この世界では『初期設定の欠陥』です!」オクシアは、教授の理論物理学的な興奮に、処理能力をオーバーヒートさせかけていた。
教授は、ケイ素族の魔術師が岩を浮かせているのを見て、目を輝かせた。「岩をマナの力で浮かせている…つまり、重力子とマナ粒子の相互作用断面積が非常に大きいということか!これは、統一場理論の決定的な証拠だ!」
観光のはずが、教授は元素界の法則すべてを「未解の物理現象」として捉え、研究所に戻る頃には、オクシアの解析コアは疲労困憊でショート寸前だった。
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