第2章: ガリオの深海探検
ガリオは、ガリウム(Ga)の持つ「融和性」と「流動性」を生かし、深海探査艇『ガリオン・ハート号』を建造していた。彼は、故郷である水属性の元素界の海へと戻っていた。
「水圧 3000atm、水温 400°C。ここが、元素界最深の『超高圧熱水噴出孔』だ」
ガリオは、探査機のライトに映った、奇妙な深海魚の群れに目を奪われた。その魚は、体表が超重元素の薄い膜で覆われており、なんと、熱水噴出孔から吹き出す未知の元素の結晶を、美味しそうに食べていた。
「驚異的だ!彼らは、極度に不安定な元素を、体内で『安定同位体』に変換して消化している!これは、錬金術の究極の夢だ!」
ガリオは、興奮のあまり、探査艇の小さなハッチを開け、深海魚のサンプルを採取しようとする。ジンクの制止も聞かず、ガリオはガリウムの流体化を利用したスーツで外に出た。
彼は、深海魚を捕獲した後、その場で緊急解析を始めた。「この魚が食べている元素は…原子番号128番、『超重プルトニウム(Ubq)』に近い…!しかし、彼らの体内で、毒性が完全に中和されている。これは、究極のグルメだ!」
ガリオは、深海魚を元素調和研究所に持ち帰り、特殊な調理法で調理。ジンクとナトリに振る舞うが、「毒々しい色」と「極めて複雑な風味」に二人は顔を引き攣らせる。ガリオだけが、目を輝かせながら完食するのだった。
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