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 第4章 第14節:「朝食」

次の日の朝、私は環を起こさないように、そっと環から腕を抜き、朝食の準備に取りかかった。

腕に残った痺れで、環と同化できたことを実感し、言い知れない喜びが改めて湧き上がってきた。

しかし、その喜びの中にも悔恨の思いがあるのを否定できなかったのだ。


『環を生贄にしてはならない』

私は、環から何と言われようと、世間の風当たりから環を護ることを決意したのだった。


コーヒーの匂いが辺りに充満し、半熟のオムレツとガーリックトーストを作ってから、優しく環を揺り起こした。


どうやら環はとっくに起きていたようだった。

しかし、恥ずかしさでどのような顔をすればいいのか分からなかったのだろう。

環はまともに私の顔を見ることができず、恥ずかしそうに下ばかり見ていた。


そんな風に恥らっている環は、昨夜よりいっそうたおややかさを増し、私は愛おしさで狂ってしまいそうだった。


もう一度優しく抱きしめキスをすると、「ありがとう」と言って泣きながら私に力一杯抱き着いてきた。


私は、ただじっと抱きしめているだけだった。

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