表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/81

 第4章 第7節:「悪路」

やさしく肩を揺すられて、私は眼を開けた。

「可哀想だけど、このままでは暗くなってしまうわ!」


あわてて時計を見ると、すでに二時を回っていた。

もう、一時間近く寝ていたのだ。

環は、しばらく私が起きるのを待っていたが、一向にその気配がないので仕方なく起こしたのだった。


今の時期では、五時には日が落ちてしまうだろう。

奥深い山の中では、日が当たらずもっと早く暗くなってしまうのだ。

いくら設営が簡単なドーム型のテントでも、整地などの準備を考えると、できるだけ早く着きたかった。


八合目までの道は整備されているといっても砂利道に変わりはなく、雨でえぐられて穴だらけの道路からのキックバックは強烈だった。

しかし、急いでいる私に、車の乗り心地など気遣っている余裕などなかったのだ。

暗くなってしまい、ルートを見失ってしまう方が、この場合ずっと危険なのである。


時々、環がルーフに頭を打ち付けたが、そのたびに引きつった笑いを浮かべていた。

もう、あきれ果てて笑うしかないのだろう。


ヘアピンカーブでスピードを落とした時、「へたに抗議すると舌を噛みそう!」と、シートから跳ねながら環が叫んだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ