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 第3章 第13節:「岩屋」


「思っていたより狭い岩屋ですね。やはり、鬼婆伝説は、戒めとしての宗教上の創作なのでしょうか」


言い伝えと違っていたことがうれしかったのか、今まで黙りこくっていた環が、岩屋の前でやっと口を開いてくれた。

確かに、岩屋は雨宿りがせいぜいな広さだった。


「多分、そうだと思います。でも、どちらにしても、山賊のたぐいがこのあたりにいたことは間違いないみたいですね」


環は、あちこち見回っていたが、満足したのか、時計を見ながら「そろそろ、智恵子の生家に行って見ませんか」と言って私を促がした。


「あの鬼婆の名前、知っていますか」

駐車場に戻りながら、のぼりに描いてあるコミカルな鬼婆のキャラクターを指して環が言った。


「お寺の由来では“岩手”という名前でしたよね」


「“バッピー"って言うんですって。さっき、すれ違った親子が話していました。

この辺ではお婆さんを“ばっぱ"と言うようですから、多分、それをもじったものなのでしょう。

鬼婆も、人々から愛されるようになってうれしいでしょうね」


環の微笑みに鬼婆への思いやりを感じ、私をほのぼのとさせてくれた。


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