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 第2章 第12節:「道の駅」

「この先に道の駅があります。これから行けば、お昼にちょうどいい時間になるので、そこでお弁当を食べませんか」

駐車場を出ると、車に置いてあった道路地図を見ながら環が話しかけてきた。


「ええ、でもこの先は初めてなので、道順をを教えてください」


環は、それから外の景色と地図を見比べながらてきぱきと指示し始めた。

さっきまでのたおやかな環から、よく知っている環に戻ったので、却って私はほっとすることができた。


その生真面目さから、環は何か始めると、そのことだけに没頭してしまい、他のことが全く目に入らなくなるのだ。

自然歩道でお茶を飲んでいた時、環が自分のことを不器用といったわけを、今、私は理解したのだった。


しばらく道なりに進んだが、「道の駅」に入る道順は結構複雑だった。


磐梯方面から来る道と立体交差するので、一旦逆方向にアンダーパスを潜り、それからグルッと廻る必要があったのだが、環が的確に指示してくれたので、迷うことなく「道の駅つちゆ」に着くことができた。


そこは、本当にこじんまりした道の駅だった。

山の中なので、平らな場所を確保するのが大変だったのだろう。


車を降り、道の駅の休憩所でバスケットを広げた。

おむすびはラップで一口大に包んだ後に、赤や青のセロファンでキャンディのように両側をひねってもう一度くるんであった。


その可愛らしい包装を開けながら、『やっぱり女の子だな』と感心したが、私を叱咤しったする同一人物なのだとは、私はどうしても信じることができなかった。

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