第7話 スライムが仲間になりたそうにこっちを見ている
『スライムが、仲間になりたそうにこちらを見ている。』
気づけば僕は白い...真っ白な世界にいた。
「わぁ、綺麗なスライム....プルプル震えていて、とても可愛いわ。」
そうかな。僕....可愛いかな?
「ふふふ、このね。ワインと、花畑で詰んだお花。あと、洞窟の怖いドラゴンさんがくれた金色のコイン。素敵な色でしょ。これ、私にって、くれてんだよ。」
ドラゴンさん?その人は、大丈夫な人なの?
「また、プルプル震えてる....大丈夫だよ。全然っ!!問題ないんだからっ!!とても、優しくて...困ってることが沢山あるのって言ったら、この金を使うといいって」
へぇ...世の中には、そんなドラゴンがいるんだな。僕も、会ってみたいな。
「プルプル震えてるっ....やっぱり、行きたいんだね。」
そりゃ、一目惚れした君が、優しいっていうのなら、きっといい人に違いないだろうからさぁ。僕...絶対会いたいな。って思うんだ。
って、ねぇねぇ...後ろに凄いドラゴンがいるよっ!!
「わぁっ!?なにっ!!で、デカいわ。相変わらず...もう、脅かさないでよ」
「う、うむ。我は、別に脅かそうとしたわけではないのだがな」
「ふふ、知ってるわ。優しいドラゴンさんって、なんだか面白いね」
木をピョンピョンと飛んで、ドラゴンの頭に乗る。大きいな。ドラゴンって....
「むっ?このスライム、話ができるみたいだぞっ!!」
「えっ!?嘘っ!!私も聞きたいっ!!」
「いいか?これは、誰にも知られていない古代の秘術なんだがな?テイムと言って、モンスターを手懐けることができるというものだ。」
「な、なにそれっ?!?すごいっ!!すごいっ!!そのテイム?っていうの教えてっ!!」
「分かった分かった。えぇと、まずだな。このスライムと、感覚を共有させる。」
「何言ってるの?ドラゴンさん?」
そんなこと、いきなり言われたって、分からないでしょ。もう、凄い抜けてるんだね。ドラゴンさんは...
「むっ!?分からなかった?これで、昔の人達なら、伝わったのだがな。スライムの体に触れて、スライムの体に流れる魔力を感じるんだ。」
「んー、分かった。ちょっとやってみるね。」
そう言って、少女は駆け寄って僕の頭に手を置く。暖かな手だな。凄く、心地がいい。
「スライムさん、気持ち良さそう。」
「うむ。よいな?そうしたら、スライムと少女の魔力をちょっとずつ貰っていく。時間をかけてな?ゆっくりと」
「できたっ!!」
なんか、むず痒かったけど、凄い君の魔力を感じる。
「私の魔力を感じるって...」
「す、凄いな。少女にテイムの才能があったとは、しかもそれをスライムに...なんとももったいない気が....」
「むっ!!いいのっ!!私が、好きだって思ったんだから、スライムさんがいいの」
そうだよっ!!僕に、なにか言いたいのなら正々堂々言ってもらおう。
「おぉ...スライムさん。強気だ。」
「ほぉお?我は、ドラゴンぞ?我に強気とは...」
ごめんなさい。許してください。
「あははははは」
「ふ、ふふははははは」
何笑ってるの?2人とも
少女は、笑い涙を手で拭って...
「うん。そのね。なんだか、家族みたいだな。って....」
僕は、木に登ってドラゴンの頭から、少女を眺める。
少女は、キョトンとした顔で、僕を見つめていた。
じゃあ、レッドドラゴンさんはお父さんだね。
「なっ!?お父さんだとっ!?」
「あはははは、確かにっ!!お父さんかも、すごい威厳あるし、カッコイイし...ねぇ、お父さん、私にこれからも色々教えてねっ?」
「お父さんでは、ないわっ!!勝手にお父さんにするなっ!!」
お父さんっ!!お父さんっ!!
「お父さんっ!!お父さんっ!!」
「や....やめてくれ....//」
ドラゴンが照れてる....
「本当だ。ドラゴンさん照れてるね。」
........女の子が、僕を見つめてクスクスと笑っていた。
まだ終わりじゃないよっ!