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第6話 レッドドラゴンの本音

土龍が消え去った後に残るのは僕とレッドドラゴンの二つの個体のみになった。


レッドドラゴンは、のっそりと僕の側へとやってくる。


怖くないのだろうか。僕は、自分でいうのも変ではあるがレッドドラゴンより強くなってしまった。


その気になれば一撃でコイツを消し去ることができるだろう。

いっそこのまま逃げてしまえばいいのに...なにを考えているんだ?なにも感じなくなった瞳がレッドドラゴンを映し出す。


「哀れだな。お主は」


「黙れっ!!」


分かっている。そんなこと、言われなくても...



「もう、やめにしたらどうだ?」


「黙れっ!!」


どれだけ、辞められたらと夢見たことか...だが、欲しいものはどんなに頑張っても届かないんだ。


「我は....」


「黙れぇぇえええええええええええええええええ」


頭が真っ白になり、感情が僕を支配する。


僕を中心にして、なにもかもが消え去っていく。なにもかもが、ボロボロに崩れていく。なにもかもが...そんな光景を大きな瞳を(まばた)きして眺める。


「........凄まじいな。」



ふっ...と、体から力が抜ける。なにを驚く必要がある。なにか言いたいことがあるなら、言えばいいじゃないか。



「なにか、言いたいことがあるなら...」


「ドラゴンたるもの、高潔であれ...」


「.......」



「なぜ、高潔たれ...と、言われているか分かるか?」


「分かるわけが、ないだろ」


正直言うと、知ってどうなるという気持ちの方が強い。どうでもいい。それだけのこと...だが、レッドドラゴンは淡々と言葉を続ける。



「力を振るうところを見誤ってはいけないからだ。我は、若かった。お主を見ていて...我は、自分の愚かさに気づいた。浅はかな行いだったと今でも思う。弱小のものに、暴挙を許したそんなことを無きものにするために、全てを燃やし尽くした。」



「.......」



「傲慢な我をどうか、滅ぼしてはくれないだろうか?」


こいつなりの、ケジメというやつか。僕も、丁度お前を殺そうと思っていたところだ。だけど、




「................分かった。その前に、レッドドラゴン...お前に聞きたいことがあるんだ。」



「我が、答えられる範囲なら」



「お前は、なんでずっと僕に構い続けていた?わざわざ悔いているなら、なぜ僕と話をし続けていたんだ?始めの時なんか、僕はなにも答えることができなかったじゃないか?そんな俺を、どうしてお前は....」



そっと、目をつむってデカい鼻息をつく。ずっと気になっていた、意味もないのになんで俺にばかり構うんだ。別に、なにか僕がいいことをしたわけじゃないだろ。


強いて言うなら、それもケジメだ。とでも言うようなことだろう?そう思っていたが、ドラゴンは意外な言葉をつぶやいた。




「.......お主が、羨ましかったからだ。」


「は?」


僕が、羨ましかった?自分でいうのもなんだけど、全然羨ましいところなんて無かったでしょ。



「我は、なにも駆り立てられることがなかった。だから、羨ましかった。きっと、少女に物を盗まれたのも、心のどこかで誰かになにかを取られることによって、なにかが変わると思ったからなのかもしれないな」



意味が分からない。


そんなことのために...、そんなことのために...!そんなことのために、あの子の命を....!!怒りがフツフツと沸いてくる。



「そうして、見ていると...お主のことが危なかっしく思えてきてな」



そういうと、目を細めて...僕の姿を眺めてた。まるで、自分の子供でも眺めるかのように、とても優しそうな目で...



「ずっと、見ておったのだ。お主が、死んでしまわないか、お主が、きちんと生きておるかどうか....もしかしたら、我が殺してしまったあの子を、生き返らせることができるやもしれん。」



「........」


同時に僕にも期待していたということか...


なぜか....心が、苦しくなった....こんなにも、こんなにも、殺してしまいたいのに、殺したくないなんて....



「頼むから....殺させてくれよ....」


「あぁ...殺してくれ」


「アァアアアアアアア」



感情が抑えられなくなって、叫び散らかす。なんなんだ一体...なんなんだよ。なんなんだよっ!!なんで、清々しく悪役として居てくれないんだよ。おいっ!!やめてくれよ。そんなの、言われたら、あんまりだろ。



「もう...頼むから、死んでくれ....」



僕は、無慈悲に手を差し伸べた初めてあった時は、あんなにも雄大で、広大で無慈悲で...残酷で...段々、腹立たしくて...尊敬すらしていて...それでいて、憎たらしくて、うるさくて...



「さようなら、()()()()()()



『ドラゴン・ブレス.....』



光が、空を覆う。僕の大事な家族のような、たった一人の友人のような人をこの手で殺める。僕がやらなければいけない復讐が終わったような気がした。





そう、復讐は....





復讐....は.....おわっ...終わったんだ...





終わったから、解放されていいんだ。終わった...から、終わったから...






なのに...どうして、こんなにもモヤモヤするんだ。

どこにも僕を解き放ってくれるものはないんだ。


誰か...誰か僕を救ってくれないか...


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