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麻薬

作者: 智鶴

  この雨ももう直ぐ止むでしょう

   悲しいふりなら得意だから

    何も心配要らないわ

     涙が落ちるなら

      せめてもの

       慰めに


薄紅色の雲が夜を呼んで来る頃

貴方の傘に居られる理由も無くなって

跳ね上げた雨水に裾を汚しながら

また明日、なんて

とても軽々しくて言えないわ

俯いてしまえば

貴方はきっと気付かない


夢を見たのは確かに覚えていて

麻薬のような雨が貼り付いていた

ねぇ、私今でも苦しいの

貴方が放り投げた嘘が、言葉が

余りに美しくて


貴方が

   貴方が

      夢を見せたから

私は

  馬鹿みたいに

        焦がれてしまったわ


精一杯腕を伸ばして

漸く触れる距離が良い

これ以上近付かないで

これ以上惑わせないで


           貴方が

        貴方が

居なくなるのなら

      夢を見ていたことにして

    全部

忘れるわ


季節はやがて私だけを忘れては

遠くへ消える景色のように

美しく見えてしまうのね


 貴方が

 そう、貴方が

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