サバになった日
私はこの日を、ビックサバデーと名付けた。
何せ今日は私からしては大きく、また世界の気運からしても多大なる功績を残した日だからだ。
それでは見分新たに私はこう書き出そう。
ビックサバデーありがとう。
私はかれこれとらえどころない不規則な生活をしていた。そして今日もまたその一途をたどるのだと思っていた。
「お前たち、今日は買い物に行ってもらう」
「買い物ですかー?」
「そだ買い物だ」
「あの俺はそゆのいです」
「はいそこー、たゆむんじゃない」
「たゆんでいませよー」
「だったら行けるな、行ってこーい」
「わかりました」
俺はしぶしぶ行くことにした。
「あの!」
「何!?」
「何買うんですか!」
「それは!サバだよ!」
「サバ!?」
「そ!サバだよ!?」
「わっ!わかりました!」
かれこれ幾数年のこと、面識のない知人であったため、私は動揺から始まった
「サバって!?どこ!?」
「サバは!どこだ!?」
何せわれらはサバを求めにきたのはいいものの、肝心の心がふわついていた。
「ふわふわっだね」
「おっ!お前もな!?」
「よし!まずはサバからだよ!」
「お!おう!サバからだな!」
われらは歩きながら、ぎこちない距離感をとりつつ、その合間に挟む小言がどうもうれしかった。
「いい感じだね!きっとサバに近づいているよ!」
「そだよな!サバは近い!」
「そっそれでなんだけど!いい?」
「何をだ!?」
「どゆ状況!?」
「めっぽうふさがりだ!」
私は自身の心情であった、行くへの知れぬ相方を想起しながら、話していた。
「なぜにそれを知っている!?」
「それは!なんか感じたんだよ!シンパシーってやつ!?」
「シッ!シンパシー!?」
「あ!空そゆの知らないっけ!?」
「いや!ニュアンスはわかるが、わかってない!」
「まさかの!?ニュアンスで判断してたの!?」
「そだ!ニュアンスだ!」
「じゃ!ニュアンスでサバを見つけるき!?」
「そーなる!な!」
「待って!私が聞いてあげる!」
「聞くだって!?」
「そゆの苦手でしょ!?」
「ああ!苦手だ!」
「威勢いいね!」
「ごっごめん!なんか熱くなる!」
「何それフラグ!?」
「そだサバフラグだ!」
「わ!わかった!まずサバの居場所の聞き方教えてあげる!」
「まじか!?」
「まじだ!」
「あの店員さん、サバはどこですか?」
「あーサバはもう品切れだよ!」
「そーらーーー」
「どしたそんなに落胆して」
「それがーーーサバないんだってーーーー」
「なぬーーーー!?」
「サバがないならどうするの?」
「サバがなかったら、俺はサバになる」
「何言ってるの!?」
「ごめんこれは仕切りなおさせてくれ!」
「わっわかった!」
「もう1テイクいいか?」
「いいよ!」
「サバがないなら、サバついてやるぜ」
「ごめん、まったくわからないよーー」
「許せ!これが俺のソウルだ!」
「空のソウルは難しすぎる!私にはわからない!」
「理解してとまでは言わない、ただ話し相手になってくれ!」
「話し相手でいいの?」
「そだ!、それだけで俺は生きている感じがする」
「要は私を!当て馬にしてるのね!」
「まてまて!!!!それは違う」
「じゃ!!!何よ!!!!」
「俺はお前を宛てにしてるんだ!」
「何それ!?ドイヒー!!!」
「素直にありがとう!!!!!」
「やっぱり空はMなの!!性格が!!!」
「そだ!!性格がMだ!!!」
「わかったよ!!!!もーこれからはいびるからね!!!」
「歓迎だ!!」
そして我らの買い物は淡々と燃えがっていった。
THE SABA DAYZ