世界滅亡を始めましょう!
今回は、忍のお話になっております。
「いっつつつ...。ここは?」
見慣れない風景、見慣れない洋服、見慣れない食べ物。ここってもしかして異世界!?
(「異世界って?あのモンスターとかいるヤツ?」
俺は、女神と名乗る女に異世界のことについて聞いていた。
「そうです!モンスターと魔王を倒して、世界の平和を守る勇者になるアレです。」
「えーっと。じゃあ、異世界でお願いします。なんか面白そうなんで。」
「軽いですね。それでは『忍さん、異世界に呼ばれてますよ!』」
目の前は白い光に包まれた)
そうだ。普通の世界に生まれ変わるのか、異世界に生まれ変わるのか選択したんだっけ。
「...異世界転生しちゃったか。」
よくよく考えると俺、死んだんだっけなぁ。梨花をかばって死ぬとか俺カッコよすぎ。梨花は今頃病院とかかなぁ。
そんな事を考えながら、とりあえずギルドに向かうことにした。RPGゲームはとっくにクリア済みなので、なんとなくこの世界の事は分かる。この情報を生かして、魔王を倒しに行くとするか!
「ちょいと、そこのお兄さん。」
声をかけられた。
「ん?なんだい?」
振り返るとそこには、ヨボヨボの爺さんがいた。
「この老いぼれ爺を助けてくれんかね?」
いかにも死にそうだったのでその爺さんを助けることにした。
「で、なにすればいいん――――」
刹那、俺は天高く投げられた。
「本当にこいつなの?」
「だってアノ人からの命令なんだもん!」
「だって投げられただけで気絶したのよ?」
「それは、しょうがないじゃん!」
目を覚ますと、2人の子供がいた。1人はショートカットの女の子。もう1人は髪を結んでいる男の子。
「あ!目、覚ました!」
「あ。目、覚ました。」
2人はベッドに寝ている俺に近づき、物珍しそうに見ている。
「お兄さん名前は?」
「俺?忍。」
「変な名前ー!クスクス!!」
そこにガチャリとドアが開き、1人の老人が入ってきた。
「こら、レオとレナ失礼でしょう。もう下がりなさい。」
「あ!ゴルゴーザ様!」
「ゴルゴーザ様、失礼します。ほらレオ行くよ。」
2人はトタトタと部屋を出ていった。
「申し訳ありません。2人はまだ子供なもので。」
「いや、大丈夫ですってかここどこスっか?」
俺は今の状況が上手く理解できなかった。
「申し遅れました。私は、執事のゴルゴーザと申します。以後お見知りおきを。」
そう言って、90°の綺麗なお辞儀をした。
「ど、どうも!忍っていいます!」
「いいえ。あなた様はもう、忍というお名前ではございません。」
ん?どういうことだ??
「えーと、勇者名を決めろってことですか?」
「いいえ、勇者なんてとんでもない。」
この人は一体何を言っているんだ?
「あなた様の新しいお名前はシノール・ダ・ブ
レンダン。」
「し、しのーる?、 ぶれん?」
「ブレンダン『魔王様』でございます。」
・・・。
はぁぁぁぁあああああああ!?!?!?!?!?!?
忍がついた役職は、まさかの魔王でした。ちなみにレオとレナは悪魔の子供です。