最初は木の棒
「痛っ...腰ぶったぁ。」
見慣れない風景、見慣れない洋服、見慣れない食べ物が並んでいる。あれ?もしかしてここもう異世界なんじゃね?転生したんじゃねー??!?!
「大丈夫ですか?」
だいたい同い年くらいの男に声をかけられた。
「あ、いや転んじゃって...」
「君、もしかして冒険者希望?」
「あの...その、よくこの世界...っていうかここら辺の仕組み的なのが分からないんですが...。」
どう聞けば良いのか分からず、モジモジしてしまう。
「なんだ!新人さんか!じゃあ、俺が案内するよ!付いてきて!」
「え、ちょ、はい!」
そのまま手を引かれ案内が始まった。
「ここはギルド。冒険者たちの仕事がたくさんあるんだ。モンスター討伐や材料収集とかね。で、次はあそこ!」
「は、はい!」
スタスタと私は彼の後ろを歩いていった。
「ここは商店街さ。いろんなものが売っていてね!武器、装備、ポーション、食べ物...。とにかくいっぱいね!」
「な、なるほど。」
「さて!次はどこに行こうかな!」
「あ、あの!ちょっとお話しませんか?」
なんとか彼のエンジンを止めることができた。
「俺の名前はフラッグ・シューマッハ、フラッシュって呼んでくれ!」
「私の名前は...えーと、その梨花、リカ...リッカータって言うの!」
なんとか名前は名乗れたけどリッカータって変じゃないかな。
「リッカータか、よろしくね!ところで君はパーティを組む予定は?」
「ぱ、パーティ?」
「...じゃあ、役職は?」
「??」
全く分からない。だいたい異世界の情報なんて全くないし、分からない。
「リッカータ、君は本当に何も分からないんだね。笑」
「すいません...。」
「あ!じゃあさ!俺とパーティ組もうよ、俺ちょうど一人だったんだ。」
フラッシュはニコニコ笑顔で言った。この人、新参者の私にすごく気を使ってくれてるんだ。
「いいんですか?私、なんの役職にも付いてないんですよ?」
「だから!今からつきに行くんだって!おじちゃん、料金ここに置いてくかんね!」
店からは「あいよー!」という声が響き、私達はギルドへと向かった。
「ご希望はありますか?」
「えっと...何があるんですか?」
とりあえず、ギルドに来たはいいものの役職が分からない。フラッシュいわく剣士がオススメとか言ってたけど...。
「剣士、戦士、魔法使い、僧侶、盗賊などですね。」
盗賊も役職なの!?
どうやら基本的パーティというものは、攻撃
守備 援護魔法 回復魔法 で成り立つらしい。
「魔法使いですと援護魔法のみ、僧侶ですと回復魔法のみ使用できますが。」
「役職を両立とかって出来ないんですかね?」
「オススメはしませんが、レベルを30まで上げていただくと可能ですよ。」
なら、ここはあれで行くしかないな。
そして役職を決め終え、フラッシュの元へと戻り、
「どうも!魔法使いのリッカータです!」
そう告げた。
ついに梨花こと、リッカータの役職が決まりました!魔法使いになったリッカータは、仲間になったフラッシュと冒険に出かけます!