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「だれだ!」
ハルはあわてて石を拾いかまえるが、誰もいない。
ハルはもう一度視線を下にする。
すると
「主様‥‥」
また声が‥、ハルの耳元で聞こえる。
次はあわてる素振りを見せないよう、ゆっくりと視線を上げ声の正体を探す。
やはり誰もいない。
ハルはなかば諦めたように正体不明の声に話しかける。
「だれだ、どこにいる。」
「主様‥‥ここです。」
またハルの耳元で聞こえる。
ハルは驚き、素早く横をむく。
誰もいない。
けど、また耳元で聞こえる。
「主様、ここです。主様の肩です。」
ハルはおそるおそる自分の肩を見る。
すると、ハルの肩から小さなスライムがニョキっと生えて、こちらに話しかけていた。
「うあぁーーーーっ!」
ハルは思わず自分の肩から生えているスライムを、つかんで投げてしまってた。
だがスライムは投げても、こちらに勢いよく戻ってきてハルの顔面を叩く。
「うわっ、なんだこいつ離れねぇ。」
「主様、やめてください。私たちは一心同体ですよ。いや二心同体ともいいますか。」
「え?どゆこと?」
ハルは痛くないが顔をおさえて、スライムの言葉に耳を傾ける。