5
「まじかー、ラッキー。やはり生まれ変わるより、今殺しに行くほうが確実だからな。」
ハルは自分の体を見つめながらそう呟く。
「作戦変更。ここから外に出て全員殺しに行こう。」
ハルは谷を登ろうと岩肌に手をかける。
だが、ハルは腹をさすって登るのを止める。
「なんか異常に腹がすいてるなー。」
ハルは何でもいいからと食べ物を探す。
適当に歩くがここは谷。
探してもそう簡単には見つからない。
「ここにないかなー?」
ハルはなかば諦めたように足下の石を持ち上げる。
「うおっ!」
石を持ち上げるとそこには小さな虫がうじゃうじゃと群がっていた。
ハルは虫は苦手ではないが特別好きではない。
だがこの日は違う。
「なんかうまそうに見えるな。」
ハルは虫が食べたくてしょうがなかった。
腹がすきすぎているからではなく、本能が食べたがっているそんな感じだ。
ハルは虫を一匹をつまむ。
ハルはそのつまんだ虫を見るだけでヨダレが止まらない。
ハルはたまらずその虫を食べた。
味も食感もあまり感じない。
虫が小さいからか?ハルは次々と虫を食べる。
石の裏は食べ尽くした。
だけど味がしない。
少し腹が満たされた感じがするだけだ。
ハルはもの足りず虫を見つけるために石を探す。
そのためにハルは下を見ながら歩く。
谷底で石を探すのに集中していると、
「主様。‥‥主様。‥‥」
ハルは突然の声に驚き、視線を下から上に戻す。