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「んん、また同じ1日の繰り返しか。」
ハルは消化されずに意識が残っている日の繰り返しを続けるあまり、目覚めるのが普通となっていた。
そして、生まれ変わった時のために<復讐の作戦>を考える。
「まず、生まれ変わったら15歳になるまで誰かを暗殺しよう。人殺しに慣れておかなくちゃいけない。」
「そして、冒険者になって町を出て、外で会うヤツら全員殺そう。もしかしたら刺したヤツらかもしれない。」
「そうだ。全員殺す。俺以外生き物殺す。」
「殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。殺す。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。」
ハルの頭の中はもう復讐の二文字を越え、精神が狂気一色になっていた。
「コロス。コロス。コロス。コロス。コロス。」
「無くなったこの手で。」
と、ハルは手のひらを空に向けてつきだした。
「ん?」
ハルはもう一度空に向かって手をつきだした。
「んんんんん?」
もう一度つきだす。
もう1回。もう1回。もう1回。
ハルは10回ほど繰り返して叫ぶ。
「手がある!?」
ハルは毎日同じスライムの腹の中の生活だったため、気づかなかった。
そして、ハルはもうスライムの腹の中にはいなかった。
「足もある!」
「無くなった胴体も。」
「そして、もうスライムの腹の中じゃねー。」
「俺は自由だ。」
ハルは約1週間ぶりに立ち、叫んだ。
そして、己の足で歩き、己の手で水をすくい、己の口で水を飲んだ。
久しぶりすぎてなんの味もしない。
ただその行為そのものが感動てきだった。
ようやく自由になったハルが考えていることは
「作戦、考え直さなくちゃな。」