魔法の可能性
さて、1日経ったわけだが、取り敢えず他の魔法も一通り試してみた。
先ず、『火』 蝋燭程の火が出た。風が吹いて消えた。
次に『水』 小さいコップ程の水が出た。
そして『土』 半径1センチの地面に草が生えた。
お次は『光』と『闇』 光の方はフラッシュが焚かれて、闇の方は少しだけ辺りが暗くなった。
うん、予想通りだね。しょぼい。
でも、練習すればそれだけ熟練度や魔力総量も上がる筈だしきっと強くなる。というか、ならない方がおかしい。ずっとこのままじゃ、魔法の意味無いからね。
それに、どんなに弱い魔法でも工夫次第で強くなれる。例えば連携。最初にフラッシュを焚き、相手が怯んだところを電撃で麻痺させる。殺せはしないが戦闘不能にさせることは可能な筈だ。なにこれ、結構強いじゃん。今度からこれ練習しよう。
それと、もう一つ、興味のあることがある。それは光だ。みんな知っての通り光はめっちゃ速い。秒速地球7周半という驚異の速さを誇っている。もしも、この世界が地球と同じ原理で成り立っているのならば。
俺は右手を銃の形にして、光魔法を放った。と、同時に光が帰ってきた。まるで最初からそこにいたように。はっや。この世界1、2周といったところか。まさか地球と同じ結果になるとは。魔法が使える時点で質量保存の法則や原子のルール無視してたからてっきり地球とは別次元だと思ってたけどな。まぁいい。俺は既に消え失せた光を見てそう思った。どうやら1秒しかもたないらしい。それでも速いから十分っちゃ十分だけど。あ、あと光は透過するので殺傷能力はゼロだった。
光魔法単体ならばほぼ無意味だがこれを他の魔法に掛け合わせると……不意に胸がドキドキした。やれるかどうか分からないが取り敢えずやってみるか。
俺は四つん這いのまま両肘を立て、右手を銃の形にし、その右腕に左手を添える。先ずは右手に水魔法を待機させる。次に光魔法を左手を経由し右手に注入、混合。発射準備完了。3、2、1、発射。ドバッ。発射された水鉄砲は木の皮を一枚剥がした。お、おぉー。つ、強い。そして、出来た。混合魔法。あの魔法を加速させる光線は『加速』と名付けよう。え、単純? いいじゃないか。それくらい。……うーん、でもなー。もうちょつと威力強いと思ったんだけどなー。ほら、よく言うじゃん。凄い水圧の強い水は何でも切るって。やっぱり圧力かけてないからかな。よし、風魔法とか覚えたら圧力かけてみよう。今後は、そうだな。魔法の練習、後はスキルの上達だな。そうと決まれば早速明日からはスキル上達に精を出そう。勿論、魔法の練習もやるよ。本当だよ。