第97話 合格発表、そして告白
それから、更に時は過ぎ。
後、数日で、12月になろうとしている頃。
今日の昼休みに、合否の連絡が学校に来る事になっていた。
「はあ、ドキドキするね〜」
私は、昼食を手早く済ませると、蓮くんと一緒に職員室に向かっている。
「華穂さん、落ち着いて。
まあ、そう言う僕も、ドキドキしているけどね」
そう言って、蓮くんが苦笑いを浮かべる。
それもそうである、この結果でこれからの将来が左右されるのだ。
誰も落ち着ける訳が無い。
「(ワイワイ、ガヤガヤ)」
今の時間は昼休みで、あちらこちらで騒がしい声が聞こえる。
そんな、昼休みで騒がしい学校の中を、そわそわしながら、二人並んで歩いていた。
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「ふふふん、ふ、ふ〜ん♪」
私は、職員室を出ると、受かれ気分で、スキップをしながら歩いていた。
結果は二人とも、合格であった。
そんな訳で、上機嫌で歩いている。
「ねえ、華穂さん」
「うん、なあに?」
「瑞希達の所に行く前に、ちょっと一緒に来てくれないかな」
「? 良いよ〜」
余りにも浮かれて、時折、歩きながらクルクル回っていた私に、蓮くんがそう言ってきた。
蓮くんは、真剣な表情をしていたけど、浮かれていた私は深くは考えなかった。
・・・
私は、蓮くんに付いてくると、誰もいない校舎裏に来た。
「蓮くん、何かな?」
蓮くんが立ち止まると、私はそう言った。
蓮くんは、周囲を落ち着きなく見渡した後、思いつめた顔をした後、それから、一拍置いてから口を開いた。
「・・・華穂さん、君の事が好きだ。
僕と恋人として、付き合って欲しい。」
「えっ・・・」
「答えは、落ち着いてからで良いから」
「・・・」
・・・私は、告白された?
先ほどまでの、浮かれた気分から一転して、まるで現実かどうか分からない感覚に襲われた。
今までに無い経験に、私は呆然と立ち尽くしていた。
・・・
「じゃあ、瑞希達に報告しないといけないから、そろそろ行こうか」
しばらく、二人ともその場に無言でいたが、蓮くんがそう言うと、慌てるように歩き出した。
私は、ようやくそれに気付くと、慌ててその後を追った。
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「ん〜、姉さん遅いなあ」
僕は、瑞希先輩達と、屋上で姉さんの合格発表を待っていた。
もうそろそろ、来る頃なんだけど。
来るのが遅いと、どうしても不吉な想像をしてしまう。
「(ギィー)」
屋上の扉が開くと、ようやく姉さんがやって来た。
しかし、姉さんの表情は、呆然としていて、心ここに有らずといった感じだった。
「(まさか!)」
僕は、不吉な事を考えてしまう。
「姉さん、姉さん、大丈夫、まさか・・・」
僕は、慌てて姉さんに尋ねてみる。
「あっ、ゆうくん・・・、違うよ、私、合格したよ」
僕が予想した、不吉な想像とは違って、ホッとした。
「それにしては、様子が変だよ?」
「あ、ううん、嬉しくて、現実感が無いの・・・」
合格したのに、何だか変な、姉さんの様子に僕が尋ねると、姉さんがそう答えた。
「蓮、どうだった?」
「ああ、合格したよ」
瑞希先輩の問いに、蓮先輩がそう答える。
どうやら、蓮先輩も合格したようだ。
しかし、姉さん同様、合格したのに関わらず、目が泳いでいた。
「姉さん、合格おめでとう」
二人とも不審な動きをしていたけど、合格している訳だし、取りあえずは喜ぼうと思った。




