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第97話 合格発表、そして告白

 それから、更に時は過ぎ。



 後、数日で、12月になろうとしている頃。


 今日の昼休みに、合否の連絡が学校に来る事になっていた。



 「はあ、ドキドキするね〜」



 私は、昼食を手早く済ませると、蓮くんと一緒に職員室に向かっている。



 「華穂さん、落ち着いて。

まあ、そう言う僕も、ドキドキしているけどね」



 そう言って、蓮くんが苦笑いを浮かべる。


 それもそうである、この結果でこれからの将来が左右されるのだ。


 誰も落ち着ける訳が無い。



 「(ワイワイ、ガヤガヤ)」



 今の時間は昼休みで、あちらこちらで騒がしい声が聞こえる。


 そんな、昼休みで騒がしい学校の中を、そわそわしながら、二人並んで歩いていた。




 *******************




 「ふふふん、ふ、ふ〜ん♪」



 私は、職員室を出ると、受かれ気分で、スキップをしながら歩いていた。


 結果は二人とも、合格であった。


 そんな訳で、上機嫌で歩いている。




 「ねえ、華穂さん」


 「うん、なあに?」


 「瑞希達の所に行く前に、ちょっと一緒に来てくれないかな」


 「? 良いよ〜」




 余りにも浮かれて、時折、歩きながらクルクル回っていた私に、蓮くんがそう言ってきた。


 蓮くんは、真剣な表情をしていたけど、浮かれていた私は深くは考えなかった。



 ・・・



 私は、蓮くんに付いてくると、誰もいない校舎裏に来た。



 「蓮くん、何かな?」



 蓮くんが立ち止まると、私はそう言った。


 蓮くんは、周囲を落ち着きなく見渡した後、思いつめた顔をした後、それから、一拍置いてから口を開いた。




 「・・・華穂さん、君の事が好きだ。

僕と恋人として、付き合って欲しい。」


 「えっ・・・」


 「答えは、落ち着いてからで良いから」


 「・・・」




 ・・・私は、告白された?


 先ほどまでの、浮かれた気分から一転して、まるで現実かどうか分からない感覚に襲われた。


 今までに無い経験に、私は呆然と立ち尽くしていた。



 ・・・



 「じゃあ、瑞希達に報告しないといけないから、そろそろ行こうか」



 しばらく、二人ともその場に無言でいたが、蓮くんがそう言うと、(あわ)てるように歩き出した。


 私は、ようやくそれに気付くと、慌ててその後を追った。





 *******************




 「ん〜、姉さん遅いなあ」



 僕は、瑞希先輩達と、屋上で姉さんの合格発表を待っていた。


 もうそろそろ、来る頃なんだけど。


 来るのが遅いと、どうしても不吉な想像をしてしまう。



 「(ギィー)」



 屋上の扉が開くと、ようやく姉さんがやって来た。


 しかし、姉さんの表情は、呆然としていて、心ここに有らずといった感じだった。



 「(まさか!)」



 僕は、不吉な事を考えてしまう。



 「姉さん、姉さん、大丈夫、まさか・・・」



 僕は、慌てて姉さんに尋ねてみる。



 「あっ、ゆうくん・・・、違うよ、私、合格したよ」



 僕が予想した、不吉な想像とは違って、ホッとした。




 「それにしては、様子が変だよ?」


 「あ、ううん、嬉しくて、現実感が無いの・・・」




 合格したのに、何だか変な、姉さんの様子に僕が尋ねると、姉さんがそう答えた。



 

 「蓮、どうだった?」


 「ああ、合格したよ」



 瑞希先輩の問いに、蓮先輩がそう答える。


 どうやら、蓮先輩も合格したようだ。


 しかし、姉さん同様、合格したのに関わらず、目が泳いでいた。



 「姉さん、合格おめでとう」



 二人とも不審な動きをしていたけど、合格している訳だし、取りあえずは喜ぼうと思った。



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