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第96話 面接の日

 それから2週間後の日曜日。



 今日は、姉さんの面接の日である。


 ちなみに筆記試験は、既に先週済んでいる。


 筆記の方は、最低限度の学力を見るためのものなので、余り、難しくは無かったそうだ。


 問題は、今日の面接である。


 これで、実質的に合否がきまるのだ。



 「さ〜てと、行きましょうか」



 朝食をすませると、制服を着た姉さんが、面接に行こうとしていた。




 「姉さん、忘れ物は無いよね」


 「もお、ゆうくん、大丈夫だよ」




 そう言いながら、姉さんが笑った。


 何か、僕の方がソワソワしているみたいだ。


 ・・・



 それから、二人とも玄関に向かった。


 姉さんが靴を履くと、玄関のドアを開ける。




 「じゃあ、行ってくるよ」


 「姉さん、頑張ってきてね」




 玄関を出ようとしていた姉さんに、僕がそう(はげ)ます。



 「ゆうくん、頑張ってくるね〜」



 元気に(あふ)れた声を出しながら、姉さんが玄関を出て行った。




 ******************




 それから、半日後。



 もう、5時になる。


 そろそろ、帰る頃だな。


 そう思いながら、夕飯の支度をしていると、



 「ガチャ」



 玄関のドアの音が聞こえた。


 姉さんが帰ったんだな。


 そう思うと、僕は姉さんを出迎えに行く。



 ・・・



 「姉さん、ご苦労様」



 玄関に出ると、ヘロヘロになっている、姉さんがいた。



 「ゆうくん、疲れたよ〜」



 そんな心底疲れた声を出して、姉さんが靴を脱ぐと、僕に倒れ込むように抱き付く。



 「ね、姉さん!」


 「へへへっ」



 倒れ込む姉さんを抱き止めると、姉さんが満足そうな笑い声を出した。



 「ゆうくん、お願い、運んで〜」



 姉さんが全体重を掛けながら、僕にしがみ付く。



 「もお、しょうがないなあ〜」



 僕は、文句を言いつつも、姉さんを抱きかかえながら運んだ。



 ・・・



 居間まで運ぶと、姉さんをソファに下ろす。


 姉さんは疲れた顔のまま、満足そうな表情になった。



 「で、どうだったの?」



 僕が肝心の、面接の結果を尋ねてみると、



 「う〜ん、特に、ドジを踏んではないから、大丈夫だろうと思うけど」



 何とも、呑気(のんき)な答えが帰ってきた。




 「それより、疲れたから、ゆうくん、膝枕して〜」


 「へっ?」


 「膝枕〜」




 すると、姉さんがイキナリ、突拍子も無い事を言い出す。


 僕は、夕飯の支度をしていたんだけどなあ・・・。



 「ね、お願い♡」



 姉さんが両手を合わせて、僕にお願いする。



 「しゅうがないなあ・・・」



 仕方がないので、僕はソファの端っこに座った。


 すると、姉さんが寝ながら僕に、にじり寄ると、僕の膝に頭を乗せた。



 「ふふふっ」



 姉さんが頭を乗せると、グリグリと左右の揺すった。




 「(さらっ)」


 「ゆうくん・・・」




 そんな姉さんが可愛く思った僕は、思わず姉さんの髪を撫でる。



 「ゆうくん、ありがとう・・・」



 僕の行為に対し、姉さんが感謝の言葉を言う。


 それから、姉さんが僕の愛撫を受けつつ、静かに目を閉じた。



 ・・・



 「すう・・・、すう・・・、すう・・・」



 姉さんが静かに寝息を立てながら、眠ってしまった。


 僕はまだ、夕飯の支度の最中なんだけど、仕方がない。


 そのまま、姉さんが起きるまで待った。


 しかし、そのせいで、夕飯の時間が大幅に遅れてしまったのだった。



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