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第94話 弟とシャイガール5

 ある日の放課後。


 今日は姉さんと、別行動である。


 蓮先輩と一緒に、入試対策をする為だ。


 しかし、今日は、




 「ねえ、優くん、二人きりで帰るのは、初めてじゃないかな・・・」


 「そう言えば、以外にそうですね」




 由衣先輩と二人で帰っていたのだ。


 ちなみに、瑞希先輩はと言うと、



 「ちょっと、今日は用事があるから、先に帰るね〜」



 そう言って、先に帰った。


 何か、二人きりにする様な、意図を感じてしまう。


 しかし、かと言って、由衣先輩と一緒に帰らない理由も無いので、瑞希先輩の誘導に乗る形にはなるけど、由衣先輩と一緒に帰っていた。



 ・・・



 そうやって帰る途中、ある公園の前に差し掛かった所で。



 「ねえ、優くん、ちょっと公園に寄っていいかな?」



 由衣先輩が、そう言ってきた。


 先輩は上目遣いで、甘えるような視線で僕を見ている。


 僕はそんな先輩の視線に耐えきれず、思わず、



 「は、はい、良いですよ」



 (ども)りながら答えた。



 「ありがと♪」



 僕の言葉を聞いた先輩が、上機嫌にそう言った。


 そんな訳で、僕達は公園で寄り道をすることになったのである。




 *******************




 「ギィ・・・、ギィ・・・」



 二人は、並んでブランコに乗っていた。


 先輩が、”座ろうよ”と言ったからである。


 ブランコに乗って、公園を(なが)めていると、公園なのに、子供の姿が見えない。


 恐らく、少子化と防犯の為、それに早い内から習い事をされるからであろう。


 そうやって、公園を眺めていると、



 「優くん、最近、何だかボンヤリしていることが多いね」



 先輩が、そんな事を言ってきた。


 自分では自覚は無いが、恐らく、姉さんの事を考えていたからなのであろう。


 あの事があってから、特にそうである。



 ・・・


 何と言って良いか分からない、僕を見て先輩が、ブランコから立ち上がると、僕の後ろに来た。



 僕の後ろに来ると、先輩が、



 「(すーっ)」



 僕の首に腕を廻す。



 「優くん、言いたくなければ言わなくて良いよ、だけど、無理はしないでね」



 それから先輩が、僕の耳元に口を寄せると、そう(ささや)いた。



 「先輩、ありがとうございます・・・」



 僕は、先輩の優しさに感謝して、そうお礼を言う。


 僕の言葉を聞くと、先輩が僕の首に廻した腕に少し力を入れると、頭に右頬を乗せる。


 

 「優くんは、ホントに素直で良い子だね」



 先輩が僕にそう言うと、僕の頭に頬ずりをし出した。


 それと同時に、廻した左手を起こし、僕の頭を揉む様に撫でている。


 先輩の感触は、心地良さとむず痒さが、入り混じっていた。



 ・・・



 そうして、僕はそんな奇妙な感触を感じながら、先輩に抱き付かれていたのだった。



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