表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/105

第87話 姉さんにバレました

 その日の帰り。



 「はあ〜」



 重い気分に、僕は溜め息を付いた。


 僕は、溜め息を付きながら、階段付近で、姉さん達を待っていた。


 自分が女装メイドに決まった時、自分の姿に見惚(みと)れていたけど。


 その後、冷静になると、トンでもない物に選ばれた事に気付く。



 「みんなから、見られるんだよな」



 そうなのだ、不特定多数に自分の女装姿を見られるのだ。



 「はあ〜」



 そんな事を考えると、再び溜め息が出てきた。




 *******************




 3階から姉さん達が降りてきて、僕は合流する。


 しかし、相変わらず、気分は晴れない。



 「どうしたの? ゆうくん、何だか暗いよ」



 そんな僕に、姉さんが尋ねてきた。



 「あ、うん、大した事じゃないよ・・・」



 それに対し、僕は歯切れが悪く答える。




 「むふふっ、ひょっとして、文化祭の出し物の事でかな〜♪」


 「(ギクッ!)」




 歯切れが悪い僕を見ていた、瑞希先輩が、意味ありげな言い方でそう言った。


 それを聞いた僕は、内心、動揺した。




 「確か、女装・・・」

 「瑞希先輩、待って!」




 姉さんに知られたくない事を、喋ろうとした瑞希先輩の口を、思わず押さえた。




 「「女装メイド喫茶だったよね」」


 「へっ?」




 姉さんと由衣先輩が、イキナリそう言うと、僕は、一瞬、呆けてしまった。




 「うふふ、ゆうくん、もう知っているよ」


 「優くんだったら、可愛いだろうなあ♡」




 姉さんと由衣先輩が、そんな事を言った。



 「ど、どうして、その事を・・・」



 僕は、滝のような汗を流しながら、そう尋ねる。



 「うん、透也くんから、聞いたの♪」



 ニッコリしながら姉さんが、そう答えた。


 ”透也の野郎ーーーー!”


 心の底から、透也に対する殺意が湧き起こってきた。



 「(すうっ)」



 透也に怒りの炎を燃やしていた僕の額を、突然、姉さんが掻き上げる。



 「う〜ん、ゆうくんは、どんな感じになるのかなあ?」



 僕の前髪を掻き上げながら、僕の女装姿を想像しているようだ。




 「姉弟だから、鏡を見れば良いじゃない?」


 「だからって、そこまで似る訳ないよ〜」




 瑞希先輩がそう言うと、姉さんが笑いながら、そう返した。



 「(すいません、結構似ています)」



 僕は、心の中で姉さんにそう言った。



 「優くんは、ゴツくないし、可愛いから、よく似合うと思うよ」



 由衣先輩が、そう言って僕の顔を覗き込んだ。


 先輩の顔も、好奇心で満々である。


 そして一人、カヤの外にいる蓮先輩は、そんな僕達を見て、苦笑いを浮かべていたのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品同様、姉弟のイチャイチャした作品です。
砂糖づけ姉弟
こちらも姉弟のイチャイチャした、星空文庫の読み切り作品です。
猫姉と犬弟
新年のコタツの中で〜寝ている姉にいたずらする〜
寒い冬の夜の出来事〜弟の布団に姉が無断侵入〜
あと、もう少しだから……
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ