第80話 弟とシャイガール4
姉さんの部屋でジュースを渡すと、台所でお盆を置いてから、自分の部屋に戻った。
これから、自分の勉強をするつもりである。
部屋に戻ると、僕は早速、机に座った。
学年が違うから、姉さん達に混ざる訳にはいかない。
さーてと、これから始めるか。
そう自分に気合をいれながら、勉強を開始した。
・・・
それから、1時間ほど経ったのだろうか。
目が疲れた上に、昨日、大掛かりに掃除をした上、いつもは遅くまで寝ている休日に早起きしたので、急に眠気が襲ってきた。
「ふあ〜」
アクビまで出る様になったので、このまま続けても集中出来そうに無いから、一旦、休憩することにした。
机から立ち上がると、のろのろとベッドまで行き、そのまま倒れ込むようにして、ベッドに横たわる。
ベッドに仰向けに寝ると、それまで以上に睡魔が襲いかかって来た。
「すー」
そして、そのまま僕は、深い眠りの中に沈んで行ったのであった。
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「う〜ん」
「どうしたの、由衣?」
「うん、何だか目が疲れたの、最近コンタクトにしてから、目が慣れてない所為かな」
目が疲れて、つい唸ってしまうと、それを聞いた瑞希が尋ねてので、私はそう答える。
「一度、休憩したら? ついでに顔を洗ってクールダウンした方が良いかも」
「うん、そうするね」
「洗面所は、一階の風呂場のを使って良いから」
「ありがとう、じゃあ、使わせてもらうね」
華穂の提案に従って、私は休憩がてら、一度、顔を洗う事にする。
そうして、私は顔を洗いに、一階に降りて行くのであった。
・・・
「ふう〜、すっきりしたなあ」
顔を洗うと、スッキリしたし、目も少し楽になった。
スッキリとした気分で、二階に上がると、ある部屋のドアが少し開いているのに気付いた。
失礼だとは思ったけど、好奇心を押さえきれずに覗いてみる事にする。
開いているドアに近づき、覗いてみると。
「優くん・・・」
ベッドに寝ている、優くんが見えた。
どうやら、ここは優くんの部屋の様である。
更に、失礼になるけど、優くんの、お部屋にコッソリとお邪魔することにした。
「失礼しまあ〜す・・・」
小声でそう言うと、優くんの部屋に入る。
私は始めて、男の子の部屋に入った。
噂に聞く、男の子の部屋と違い、優くんの部屋は片付いていて、とても清潔である。
机を見ると、勉強道具がそのままであるので、どうも休憩して、そのまま寝込んでしまったみたいだ。
「すー、すー」
ベッドで寝ている、優くんを見る。
その可愛い寝顔と、上下する胸を見ていると、何だか、ムラムラしてきた。
私は、イケナイイケナイと思いつつも、寝ている優くんに近づくと、優くんの右の脇に体を入れ、それから、優くんの胸に頭を置いた。
「(えへへっ)」
優くんの体の感触と、体温を感じていると、私は自然に、頬が緩んでしまう。
そうやって、私が優くんの感触に、満足すると、
「(ガバッ!)」
「えっ!」
優くんが突然、私を寝ながら抱き締めてきた。
「(スーッ・・・、スーッ・・・)」
すると次に、私の頭を撫で始める。
「・・・お姉ちゃん」
優くんが寝ぼけながら、華穂の事を呼んでいた。
どうも、寝ぼけて私の事を、華穂と勘違いしているようである。
「(スーッ・・・、スーッ・・・)」
その言葉で、複雑な思いになったけど、優くんの手が私の頭を滑る度に、そんな事はどうでも良くなった。
「(スーッ・・・、スーッ・・・)」
この優くんが与えてくれている快感の前では、何も考えられなくなってしまったのだ。
「(優くん、気持ち良いよ・・・)」
私は、余りの快感に、思わず彼の胸板に頬ずりをし出した。
優くんの胸板に頬ずりをしながら、私はそのまま眠り込んでしまったのであった。
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「うん・・・」
チョットの休憩が、いつも間にか本格的に眠り込んでしまった。
しかし、胸に感じる重量感に気付くと、徐々に目が覚めていく。
「(あっ、また姉さんが来ているんだな)」
始めは、そう思っていたが、感触がいつものとは違う事に気付いた。
”あれ、おかしいな?” そう思いながら、見ると、
「ゆ、由衣先輩!」
僕の胸に頭を乗せていたのは、由衣先輩だった。
「んん・・・」
僕の声に気付いたのか、先輩が起き出した。
「優くん、とても気持ち良かったよ♪」
まだ眠そうな顔をしながら、先輩がまぶしい笑顔を見せる。
しかし、その笑顔を見た途端、僕はそのまま固まってしまった。
結局、僕は、そのまま固まった状態で、しばらく居たのであった。




